サカタのタネが大手種子販売業者や異業種から買収される可能性もある。同社の活躍するステージを一段階引き上げるためにも「買収される」のも悪くない決断といえる。だが、サカタのタネが自主独立してグローバル競争に生き残るには、買収を加速する必要がある。
果たしてサカタのタネは「食うか食われるか」の種子ビジネスのM&A合戦で生き残ることができるのか。その答えは数年後には明らかになるだろう。それほど種子市場の変化は大きく、速い。
サカタのタネの海外進出とM&A年表 | ||
---|---|---|
年 | 出来事 | 買収 |
1913 | 創業 | |
1942 | 企業合同により「坂田種苗株式会社」を設立 | |
1977 | サカタ・シード・アメリカ(SAI)を設立 | |
1986 | 「株式会社サカタのタネ」に社名変更 | |
1987 | 東京証券取引所市場第2部に上場 | |
1990 | サカタ・シード・ヨーロッパ設立 | |
東京証券取引所市場第1部に上場 | ||
1991 | サカタ・シード・チリ設立 | |
1994 | サカタ・シード・ブラジル設立 | |
アグロフローラ社(ブラジル)買収 | 〇 | |
1996 | サカタ・サイアム・シード(タイ)設立 | |
サカタ・シード・イベリカ(スペイン)設立 | ||
サカタ・シード・フランス設立 | ||
サミュエル・イェーツ社(イギリス)買収 | 〇 | |
1997 | 青源種苗を買収し、韓国事務所を設立 | |
1998 | 坂田種苗(蘇州)有限公司(中国)設立 | |
1999 | メイフォード社(南アフリカ)買収 | 〇 |
2000 | 青源種苗をサカタ・コリアに改称 | |
2001 | ヨーロッパ・アフリカの統括会社としてヨーロピアン・サカタ・ホールディング(フランス)設立 | |
アグロフローラ社をサカタ・シード・スダメリカに改称 | ||
2002 | サミュエル・イェーツ社をサカタ・ユーケーに改称 | |
2003 | デンフェルト社(デンマーク)の花き部門を買収 | 〇 |
サカタ・オーナーメンタルズ・ヨーロッパ設立 | ||
ヨーローピアン・サカタをサカタ・ベジタブルズ・ヨーロッパに改称 | ||
2004 | サカタ・シード・ヨーロッパをサカタ・ホランドに改称 | |
2005 | クオリベジ・シード・プロダクション社(アメリカ)を買収 | 〇 |
2008 | メイフォード社をサカタ・シード・サザンアフリカに改称 | |
サカタ・シード・インディア(インド)設立 | ||
2011 | サカタ・ターキー(トルコ)設立 | |
2018 | サカタベトナムを設立 | |
サカタ・シード・アルゼンチナ(アルゼンチン)を設立 |
文:M&A Online編集部
この記事は企業の有価証券報告書などの公開資料、また各種報道などをもとにまとめています。
これが、M&A(企業の合併・買収)とM&Aにまつわる身近な情報をM&Aの専門家だけでなく、広く一般の方々にも提供するメディア、M&A Onlineのメッセージです。私たちに大切なことは、M&Aに対する正しい知識と判断基準を持つことだと考えています。M&A Onlineは、広くM&Aの情報を収集・発信しながら、日本の産業がM&Aによって力強さを増していく姿を、読者の皆様と一緒にしっかりと見届けていきたいと考えています。