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絵空事ではない!日産がルノーに「見捨てられる日」

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ルノーも一転して「経営統合」には慎重に

独ダイムラー・クライスラーは三菱自動車の赤字拡大を受け、2005年に同社株をすべて売却して一方的に資本関係を断ち切った。日産が「お荷物」となればさっさと切り捨て、新たなパートナーとの資本提携や経営統合で生き残りをかける「したたかさ」を持つのが欧州自動車メーカーだ。

ルノーがゴーン時代に進まなかったFCA(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)との資本提携に前のめりだったのも、「脱日産」の流れの一つだろう。事実、ジャンドミニク・スナール会長は2019年12月3日の外国メディアでのインタビューで、日産との提携強化を進めるとしながらも「経営統合を考えるのは正しい方法ではない」と発言した。

日産との経営統合に距離を置き始めたルノーのスナール会長(同社ホームページより)

いつでも「縁が切れる」業務提携は維持するが、経営統合という「後戻りができない関係」に踏み込むことには一転して慎重になっている。2019年春までの「経営統合ありき」だったルノーの対日産戦略は明らかに転換期を迎えた。

ルノーが日産との資本関係を解消すれば「独立派」にとっては念願が叶うことになるが、新たなパートナーを見つけられない限り未来は暗い。ダイムラーに見捨てられた三菱自動車は三菱グループが支えたが、日産にはそうした「後見役」が存在しない。

ルノーが保有する日産株を株式市場で売却することはないだろう。日産株の暴落を招き、ルノーの得る株式売却益が減少するからだ。保有株をまとめてファンドか他メーカーに売却することになる。SUBARU(スバル)<7270>やマツダ<7261>、スズキ<7269>と資本提携するトヨタ自動車<7203>が経営危機に陥った日産を救う可能性は極めて低く、他の国産車メーカーでは救済する体力がない。

欧米自動車メーカーは刑事告訴で親会社の影響力を削ごうとした日産を「伏魔殿」と認識しており、手は出さないだろう。ルノーから見捨てられた日産に手を差し伸べるのは、米テスラのような新興企業か中国や韓国などアジア系企業になる。当然、買収後に待っているのは「ゴーン改革」と同じ、徹底したリストラだ。

文:M&A Online編集部

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