トヨタがいすゞと再び手を組む本当の理由は燃料電池「生き残り」

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「3年目の復縁」を果たしたトヨタ自動車<7203>と、いすゞ自動車<7202>。両社は2006年11月に資本提携したが、2018年8月に解消している。なぜここに来て再び資本提携するのか?そこにはトヨタの燃料電池車(FCV)戦略がある。

EVに追い詰められたFCV

トヨタは2014年12月、世界初の量産型FCVの乗用車「MIRAI」を発売した。しかし、2020年12月にフルモデルチェンジするまでの6年間の累積世界販売台数は約1万1000台に過ぎない。フルモデルチェンジ直後の2021年1〜2月の累計でも世界販売はわずか885台に留まっている。

これは710万円からという車両価格の高さもさることながら、水素ステーションが普及していないため。日本では2020年12月現在で、全国に137カ所しかない。海外も同様だ。ガソリン車やディーゼル車と同様に短時間で燃料を補充できるというメリットはあるが、燃料が少なくなったらどこででも充填できる気軽さはない。

水素ステーションの少なさがFCVの普及を阻む(川崎市ホームページより)

反対にここ1年で急激に存在感を高めているのは車載電池に充電して走行する電気自動車(EV)だ。20年前は「FCVよりも望み薄」と言われたEVだが、電池の蓄電能力の向上と小型軽量化、低価格化が進み、普及が加速。2021年1月のEV・PHVの総世界販売台数は32万1031台と、前年同月の15万613台の2.1倍に増えている。

「ガソリンスタンドに比べると圧倒的に少ない」と言われていたEV充電スポットも、国内で約1万8000カ所とガソリンスタンドの約6割にまで増えている。ガソリンスタンドは廃業による減少が続き、いずれ逆転される可能性が高い。

すでにガソリンスタンドよりもEV充電スポットの方が多い自治体もある。つまり乗用車はEVが次世代環境車(エコカー)の勝者となるのが事実上確定しており、これからFCVが巻き返すのは極めて難しい。

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