時短営業命令は違法として東京都を提訴した「グローバルダイニング」ってどんな会社

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写真はイメージです

一律1日6万円という時短協力金では不合理として20時までの時短要請に応じていなかったグローバルダイニング<7625>が、東京都が新型インフルエンザ対策特別措置法(特措法)に基づいて同社に発令した時短営業命令は違法として、東京都に損害賠償を求める訴訟を起こした。

東京都は2021年3月18日に時短要請に応じない27店舗に時短営業命令を出しており、このうちの26店舗がグローバルダイニングの店舗だった。

グローバルダイニングは2021年3月11日に小池百合子東京都知事あてに、同社の26店舗が特措法に基づく時短営業の要請に応じないことについて弁明書を公表しており、この中で「飲食店を狙い撃ちにした経済的我慢を強いる緊急事態宣言と時間短縮要請については不信しかない」としていた。

グローバルダイニングとはどのような企業なのか。

前期は11億円を超す営業赤字

グローバルダイニングはイタリア料理店の「ラ・ボエム」、メキシコアメリカ料理店の「ゼスト」、アジア料理店の「モンスーンカフェ」、和食店の「権八」、国際折衷料理店の「ディナーレストラン」、フードコートの「フードコロシアム」などを都内中心に43店舗(2020年12月末)運営している。

2020年12月期は新型コロナウイルスの影響で、売上高が前年度比41.0%減の56億6700万円に留まり、営業損益は11億7500万円、経常損益は11億200万円、当期損益は15億900万円のいずれも赤字に陥った。

2020年11月には新型コロナウイルス感染症拡大による業績悪化で生じた利益剰余金の欠損額の解消などを目的に資本金や資本準備金、利益準備金を減額した。

利益剰余金がマイナスになれば、経営状況が苦しいと判断されることが多いことから、財務体質を改善し企業の信用を高めるために、それまで約14億8500万円だった資本金を3000万円に引き下げたのだ。

グローバルダイニングの2020年12月期の営業形態 売上高構成比(%)
ラ・ボエム (イタリア料理) 27.7
ゼスト (メキシコアメリカ料理) 2.6
モンスーンカフェ (アジア料理) 26.8
権八 (和食) 20.2
ディナーレストラン(国際折衷料理) 11.9
フードコロシアム (フードコート) 2.2
その他 8.6

時短営業要請拒否の効果は

同社は1973年に長谷川実業を設立したのが始まりで、同年に喫茶「北欧館」をオープンしたのに続き、パブレストランや、アンティークショップなどを相次いで開業した。

1990年に東京証券取引所市場第二部に上場し、1997年にグローバルダイニングに社名を変更。2000年に入り、新業態の開業を繰り返し、現在の事業形態に近づいた。

M&Aには積極的ではなく、2010年以降に適時開示したのはマカオでレストラン事業を展開していたグローバルダイニング マカオ リミテッドの解散に伴い、全事業を現地社に譲渡した案件だけだった。

同社は2021年12月期については新型コロナウイルス感染症の収束時期が不透明であることから見通しに幅を持たせており、売上高は60億-70億円を見込む。営業損益も同様にトントンから5億円の赤字と幅を持たせている。

売上高は前年度比5.9%から23.5%の増収、営業損益は赤字額が半分以下となり、ともに数値は前年度よりも改善する見込みだ(経常損益、当期損益は未定)。

2021年の年明け早々に始まった時短営業要請に応じなかったことによる業績への寄与はどの程度のものなのか。2021年4月下旬に予定されている2021年12月期第1四半期決算でその姿が見えてくる。

【グローバルダイニングの業績推移】単位:億円、2021年12月期は予想

2019年12月期 2020年12月期 2021年12月期
売上高 96.1 56.67 60-70
営業損益 0.4 △11.75 △5-0
経常損益 0.96 △11.02 未定
当期損益 △3.31 △15.09 未定

文:M&A Online編集部

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