赤字続きの「小僧寿し」に復活の兆し コロナ禍が追い風に

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写真はイメージです

新型コロナウイルスの影響で苦戦を強いられている外食産業にあって、小僧寿し<9973>が復活の兆しを見せている。2020年12月期の営業損益が2015年12月期以来5年ぶりに黒字化したのに続き、2021年12月期も2期連続の黒字を確保できる見込みだ。

事業の2本柱である持ち帰り寿司事業とデリバリー事業がいずれも堅調に推移する見通しにあるためで、2021年12月期は前年度比7.9%増収ながら利益は2.5-5倍ほどに拡大する。

持ち帰り寿司、デリバリーの両事業には過去に実施したM&Aが大きくかかわっており、コロナ禍が思わぬ形でM&Aの効果を浮かび上がらせた格好だ。

M&Aが営業黒字に貢献

小僧寿しは3月1日に2021年12月期の業績予想を公表した。それによると、売上高は前年度比7.9%増の66億1700万円、営業利益は同2.54倍の1億4500万円、経常利益は3.66倍の1億5400万円、当期利益は同5.07倍の1億3700万円と増収増益の見込み。

同社は2月19日に発表した2020年12月期決算では、コロナ禍を理由に業績予想を未定としていたが、そのわずか10日後に、持ち帰り寿司、デリバリーの両事業が堅調に推移していることを理由に見通しを公表した。

両事業の既存店の月次の売上高推移を見ると、小僧寿しと茶月の持ち帰り寿司事業は1月が前年同月比110.7%、2月が同119.1%といずれも2ケタの伸びとなった。宅配代行サービスのデリズによるデリバリー事業は1月が同112.7%、2月が同108.4%と、こちらも高い伸びとなった。

デリバリー事業では2025年までに300店の新規出店(2020年12月末時点で80店を出店済み)を計画している。

デリバリー事業を支えるデリズは2018年に株式交換で小僧寿しの傘下に入った企業。2020年12月期のセグメント利益は9600万円で、持ち帰り寿司事業の損失(セグメント損失は3900万円)をカバーし、5年ぶりの営業黒字に貢献した。

持ち帰り寿司事業の茶月も2012年と2016年の2度にわたって譲り受けてきた事業で、持ち帰り寿司事業の一翼を担っている。

11年ぶりに全段階で黒字化

小僧寿しは長年赤字体質にあり、営業、経常、当期の全段階が黒字化(2020年12月期)したのは2009年12月期以来、実に11年ぶりとなる。

コロナ禍で大打撃を受けている外食産業では、売り上げ確保のために持ち帰りやデリバリーのシステムを導入する企業が少なくない。

小僧寿しは以前からこうした業態に軸足を置いていたためコロナ禍が追い風となったようだ。

文:M&A Online編集部

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