国内初のコロナワクチン工場を建設するJCRファーマって、どんな会社?

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わが国初の新型コロナワクチン工場が神戸に誕生する。中堅医薬品メーカーのJCRファーマ<4552>が、神戸サイエンスパーク内に取得した敷地で2021年7月に着工、2022年10月に完成する予定だ。コロナワクチンの国内生産という「大役」を担うJCRファーマとは、どんな会社なのか?

脱サラで立ち上げた医薬品メーカー

同社は大五栄養化学(現・日本製薬)の研究者だった芦田信会長が、1975年9月に神戸市で医薬品メーカーとして前身の日本ケミカルリサーチを創業したのが始まり。現在は高級住宅街として知られる兵庫県芦屋市に本社を置く。

1976年12月にウロキナーゼ(血栓溶解剤)精製法を確立、1983年10月にウロキナーゼ製剤および原液の製造承認を取得する。

転機となったのは、1985年1月にヒト成長ホルモン製剤の輸入承認を取得したこと。1993年4月には遺伝子組み換えヒト成長ホルモン製剤「グロウジェクト」の製造承認を取得した。成長ホルモン分泌不全などの原因による低身長の子供向け医薬品だ。現在ではヒト成長ホルモン製剤がJCRの主力製品となっている。この遺伝子組み換え技術が、後にコロナワクチン量産につながった。

現在の主力製品となっている遺伝子組み換えヒト成長ホルモン製剤(同社ホームページより)

このほか希少・難治性疾患のバイオ新薬開発やバイオ後続品も強い。2009年12月に英大手製薬のグラクソ・スミスクライングループと同疾患向けのバイオ医薬品に関する包括的な契約を結び、資本提携した。

しかし、グラクソ・スミスクラインの主力分野が希少・難治性疾患からオンコロジー(がん)などへシフト。さらにグラクソ・スミスクラインの共同開発スピードが遅いこともあって、JCRは資本関係の解消を決断する。

2017年9月に医薬品卸大手のメディパルホールディングス(HD)<7459>と業務資本提携契約を結ぶ。メディパルHDは同10月にグラクソ・スミスクラインの保有するJCR株を取得して、持ち株比率22.46%の筆頭株主に。これによりJCRは、メディパルHDの持ち分法適用会社となった。

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