「すし銚子丸」が大幅上方修正 コロナ対応の差で明暗も

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「すし銚子丸」(都内の店舗)

回転ずし「すし銚子丸」を運営する銚子丸<3075>が、2021年5月期の業績予想を大幅に上方修正した。

新型コロナウイルスの影響で業績が低迷していたが、コスト削減の取り組みに加えテイクアウトやデリバリーサービス拡充などの効果が表れ、2020年9月に公表した予想よりも利益が2倍以上に跳ね上がった。

前年度(2020年5月期)実績と比べても、営業利益は9倍強に、経常利益は5倍ほどに増え、当期損益は黒字転換する見込みだ。

回転ずし業界ではスシローグローバルホールディングス(HD)<3563>が2021年9月期に前年度比40-60%の増益予想を公表しているものの、元気寿司<9828>の2021年3月期は営業、経常、当期の全段階で赤字に転落する見通し。

帝国データバンクによると、2021年3月期決算の上場企業のうち604社が2021年2月末までに業績予想を上方修正しており、巣ごもり需要などの新たな需要を取り込んだ企業が業績を伸ばしているという。

一方で、2021年3月期決算企業で業績予想を下方修正した上場企業が198社存在しており、コロナ禍に対応できず苦戦を強いられている企業も少なくない。

コロナ対応の差が2021年業績の好・不調に大きく影響を及ぼしそうだ。

テイクアウトやデリバリーが奏功

銚子丸の2021年5月期の売上高は前年度比0.7%減の179億5100万円、営業利益は同9.39倍の6億7200万円、経常利益は5.1倍の7億900万円、当期利益は3億5800万円(前年度は9300万円の赤字)の見込み。

2021年5月期第3四半期までに、テイクアウトメニューを拡充したほか、テイクアウト専門店2店を出店したことや、出前館やウーバーイーツなどのデリバリーサービスを2020年8月までに、同サービスを提供可能なエリア内の全店舗に導入したことなどが業績を引き上げた。

スシローは63%の当期増益

スシローグローバルHDの2021年9月期第1四半期の売上高は前年同期比6.8%の増収で、利益も営業利益が同44.9%、税引き前利益が同41.8%、当期利益が同35.0%の増益となった。

同社では年間を通じてこの傾向は変わらないと判断し、2021年9月期通期の売上高を前年度比22.3%増の2506億円、営業利益は同43.4%増の173億円、税引き前利益は同54.7%増の163億円、当期利益は同63.5%増の105億円と大幅な増収増益を見込む。

一方、元気寿司はテイクアウトメニューの投入やデリバリ-対応店の拡大などに取り組んだものの時短営業や臨時休業などの影響が大きく、2021年3月期は営業損益が2億8000万円、経常損益が2億5000万円、当期損益が1億2000万円の赤字を余儀なくされる見通し。

業績上方修正、トップは製造業

帝国データバンクの調べによると、業績を上方修正した3月期決算の上場企業604社の内、製造業が311社を占め、次いでその他の86社、卸売業の67社と続いた。

回転ずしなどの外食産業が含まれる小売業で業績を上方修正した上場企業は23社で、業績を下方修正した上場企業も11社あった。

【銚子丸の業績推移】単位:億円、2021年5月期は予想

2019年5月期 2020年5月期 2021年5月期
売上高 193.16 180.76 179.51
営業利益 9.37 0.71 6.72
経常利益 9.82 1.39 7.09
当期損益 5.05 △0.93 3.58

文:M&A Online編集部

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