ソフトバンクの影もちらつく「新たなる買収交渉」

ブルームバーグ(3月13日)

編集委員による大統領支持意見「クアルコムの合併を潰したトランプは正しい」を掲載。同記事の特徴は賛成の理由を、安全保障面からの憂慮のみに絞ったことにある。「この合併は明らかな安全保障の問題を提起した。クアルコムはペンタゴンへの主なサプライヤーで、機密扱いの契約を多数締結している。この種の買収は、誰がやっても危険信号を免れない」

一方で、米国への経済的脅威を理由としたCFIUSに対しては、「CFIUSの判断は、長くねじれたロジックの鎖」とたとえて疑問を呈した。続けて次の2点を挙げ、懸念を示している。「安全柵なしに安全保障の概念を拡大することは、CFIUSへの委任枠の拡大を示唆するものだ。どのような分野が問題になるのか、どんな救済策が受け入れられるかなどがオープンでない。このわかりにくい手続きが保護主義を進めるために濫用されないか懸念される」

ブルームバーグ(3月14日)

翌日の配信で同通信社は、今回の買収劇をめぐるクアルコムの政治的根回しを報じた。記事ではブロードコムに買収を仕掛けられる2017年に、クアルコムが830万ドルをロビー活動に費やしていた事実を紹介。「この金額はブロードコムの100倍の出費にあたる。(ワシントンに支持基盤を作るにあたり)、このコントラストは大きい」とコメントした。

さらに共和党コーニン議員がマヌーチン財務長官に対し、「ブロードコムがクアルコムの取締役会支配を狙っている3月の株主総会を、CFIUSは調査すべき」とする書簡を送っていたことも報じた。同記事は、「これらのプレッシャーキャンペーンが前例のない展開を引き起こした」としている。

3月14日、ついにブロードコムはクアルコムの買収を断念すると発表した。しかし4月までに米国に本社を移転する計画は変えないとも表明。名実ともに「米国企業」になってから合併の対象を探すと報じられている。

英フィナンシャル・タイムズ(3月15日)

その翌日、英フィナンシャル・タイムズはクアルコム創業者の息子で3月上旬まで会長を務めていたポール・ジェイコブス氏が同社の買収を検討していると報じた。ソフトバンクグループ<9984>が資金の出し手候補として浮上しているとも触れられており、今後の動きが注目される。

ソフトバンクも参戦?
ソフトバンクもクアルコム買収に関与する?(Photo By Michael)

文:Yuu Yamanaka/編集:M&A Online編集部