「安い家具」しか売れない

大塚家具の経営危機は久美子社長の経営戦略が2014年12月期以降、市場にフィットしなかったのが原因だが、その背景には家具業界の「地殻変動」がある。現在、家具小売業界は「ニトリ」を運営するニトリホールディング<9843>と「無印良品」を展開する良品計画<7453>の「二強時代」となっている。

低価格家具で急成長するニトリ。写真の商品すべてを購入しても税別で10万円を切る(同社ホームページより)

いずれも久美子社長の「カジュアルな中級路線」よりも安い、低価格家具が主力だ。小売り・サービスの現場では国民の平均所得が伸び悩む一方、携帯電話(スマートフォン)やインターネット接続料金などの新しい支出が増え、「ごく一部の超高級商品と低価格商品しか売れない」二極分化が起こっている。家具業界も、まさにそのパターンなのだ。

ならば超高級商品にシフトすればいいかといえば、そう簡単な話ではない。大塚家具のような上場企業が生き残るには、あまりに狭すぎるニッチ市場だからだ。そもそも高級家具「販売」自体が縮小している。

イタリア製高級家具輸入販売を手がけるカッシーナ・イクスシー<2777>は2018年1~6月期の連結決算で、最終損益が前年同期の-400万円から-2800万円と赤字が拡大している(営業・経常損益は黒字転換)。勝久前会長が立ち上げた高級路線の「匠大塚」も業績は非公開ながら「店舗に客の姿はまばら。外商で大量の注文を受けていない限り、経営は苦しいのではないか」と、ささやかれている。