同社のM&Aの特色としては、まず事業セグメントの拡大における活用が挙げられる。過去はカメラメーカーやゲーム制作会社のM&Aを行う。その後時代の潮流を読み、いち早く次世代通信機器事業(携帯電話)や太陽光発電事業に参入。ファインセラミック製造の専業メーカーであった同社はM&Aを活用し知名度を上げていく事に成功した。
また実質的に破綻していた三田工業㈱に対する救済的M&Aはその手腕を買われ、後に創業者の稲盛和夫氏がJALの再生に駆り出される事になる...
住友電気工業<5802>は大阪市北浜に本社を置き、今年創業120年を迎える。自動車内部の情報や電力伝送を行う配線システムのワイヤーハーネスは世界シェア2位だ。世界40カ国以上で約390社、24万人を雇用する巨大グループのM&A戦略を見る。
インターネットのマーケティング支援企業であるオプトホールディングは、ネット広告業界ではサイバーエージェント、アイレップ、セプテーニと並ぶ主要4社に数えられる。同社はどのようなM&A(資本・業務提携)を活用し、成長軌道を描いてきたのだろうか。
「YDK」でおなじみの明光ネットワークジャパン。個別指導塾の分野でトップランナーで、全国に2,012教室(2016年8月時点)を持ち、個別指導塾市場で10.6%のマーケットシェアを得ている。しかし教育業界は、少子高齢化により何もしなければ売上が右肩下がりになることは必至。2020年を目処に実施される学習指導要領の改訂や大学入試制度の改革等もあり、明光ネットワークジャパンはM&Aを通して生き残りを図る。
出光興産というと石油元売りとしてのイメージが強いが、プラスチック樹脂等の機能材料の製造や石炭開発、アグリバイオ事業まで幅広い分野に手を広げている。その背景には、M&Aの活用を通じて事業の入れ替えを行ってきたことがある。一時の倒産危機も克服し、石油元売りという枠を超えて事業を展開する出光興産のM&Aを見ていく。