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【京セラ】京セラのM&A戦略とアメーバ経営

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京セラのM&A戦略

同社のM&Aの特色としては、まず事業セグメントの拡大における活用が挙げられる。過去はカメラメーカーやゲーム制作会社のM&Aを行う。その後時代の潮流を読み、いち早く次世代通信機器事業(携帯電話)や太陽光発電事業に参入。ファインセラミック製造の専業メーカーであった同社はM&Aを活用し知名度を上げていく事に成功した。

また実質的に破綻していた三田工業㈱に対する救済的M&Aはその手腕を買われ、後に創業者の稲盛和夫氏がJALの再生に駆り出される事になる。

京セラは随時事業ポートフォリオの見直しを行っており、初期に買収した企業については事業の撤退により適時売却を行っている。㈱ヤシカと㈱タイトーについては京セラブランドの各業界においての知名度向上にも貢献したが、業界全体の動向を見極め事業の撤退と共に売却を行っている。

M&A黎明期から積極的にM&Aに取組む一方、事業の選択と集中についても随時対応している一例である。2010年以降はクロスボーダーM&Aや半導体・デバイスメーカーの買収が増加しており、事業シナジーによるセグメント毎のシェアアップを図ると共にグローバル展開による世界シェアの獲得に動いているようだ。

(年表)京セラの主なM&A

年月 内容
1982年10月 車載用トランシーバー製造業のサイバネット工業を買収し、電子機器関連事業に参入
1983年10月 長野県のカメラメーカー㈱ヤシカを吸収合併2007年にはカメラ事業撤退と共に「ヤシカ」の商標権を香港のJNCデイタム・テック・インターナショナル㈱に売却
1984年6月 25社の出資を受け第二電電㈱(DDI)を設立2000年10月同社を存続会社としてケイディディ㈱、日本移動通信㈱と合併後にKDDI㈱に商号変更
1986年3月 ㈱タイトーに資本参加し子会社化2000年には同社が㈱京セラマルチメディアコーポレーションを吸収合併するも2005年9月TOBにより株式会社スクウェア・エニックスに売却
1989年8月 エルコグループを買収、コネクタ事業の取得により電子デバイス事業の拡大を図る
1990年1月 米AVX Corporationを買収、海外での電子デバイス事業の強化を図る
2000年1月 会社更生法適用申請していた三田工業㈱に資本参加更生計画認可により京セラミタ㈱に商号変更2012年には京セラドキュメントソリューションズ㈱に社名変更
2001年1月 米Tycom Corporationを買収配線基板用ドリル事業への参入による工事事業の拡大を図る
2002年8月 有機化学をベースとするファインケミカル技術を持つ東芝ケミカルを株式交換により子会社化電子部品材料事業の強化を図る
2002年8月 水晶デバイス事業の東証一部上場会社キンセキ㈱の筆頭株主となる2003年には100%子会社とし上場廃止2017年京セラ本体に吸収合併し解散
2008年4月 三洋電機の携帯電話事業撤退に伴い事業を会社分割により継承買収額は約500億円
2011年7月 デンマークの超硬工具メーカーのユニメルコグループ(現・Kyocera UNIMERCO A/S)買収買収額は約200億円
2012年2月 自動車用液晶パネル最大手のオプトレックス㈱(現・京セラディスプレイ㈱)を買収買収額は約200億円
2013年10月 プリント配線板メーカーの㈱トッパンNECサーキットソリューションズ(後の京セラサーキットソリューションズ㈱)を買収
2015年4月 グループ会社の京セラユニメルコがリトアニア共和国の木工工具メーカーGarsdaro Medienos Technologija社の全株式を取得子会社化
2015年9月 パワー半導体の製造メーカーである日本インター㈱をTOBにて子会社化2016年8月に吸収合併
2016年3月 米国のソリッド工具メーカーSGS Tool Company社の全株式を取得し子会社化
2016年4月 子会社の㈱京セラソーラーコーポレーションの太陽光発電機器の販売事業(会社分割)ならびに京セラサーキットソリューションズ㈱、京セラケミカル㈱を吸収合併
2016年9月 子会社の京セラオプテック㈱が米国の光学部品専業メーカーのメレスグリオ㈱を買収同月に吸収合併
2017年4月 子会社の京セラメディカル㈱、京セラクリスタルデバイス㈱、京セラコネクタプロダクツ㈱を吸収合併
2017年6月 米国の空圧工具メーカー、SENCOホールディングスを買収
2017年9月 リョービより電動工具事業を150億円で買収予定

M&A Online編集部作成