社長、買収を考えたことありますか?ベンチャー社長100人に直接聞いてみました。

※この記事は公開から1年以上経っています。
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「資金がない」という考えは得策ではない?

アンケートの結果、なんと買収を考えたことのある/ないは、ほぼ拮抗した結果となりました。それぞれの回答を見てみましょう!

まず、買収を考えたことのある社長の意見は以下の通りです。

■買収を考えたことのある社長

・見ているのは、ヒトの採用・事業・プロダクト
・同業で5億以上の会社。見ているのは売上と特許商品を持っているか
・考えることは頻繁。事業内容とリンクするところを買う。グローバル関係
・常に考えている。実際にしている
・時間を買うという考え
・過去何社か買収している
・採用の一環として。


基本的に、同業の買収などを検討しており、事業を拡大させていく手段として位置づけているようですね。なかには、事業内容や規模はもとより、地域や国籍、なかには在籍社員の保有資格、保有特許の性質など、ピンポイントで条件を絞り込み、かなり詳細に検討している回答が多く、実に印象的でした。

生の声一部抜粋しました。

「以前に買収の経験があるからね。時間を買うという意味で積極的だよ」

「そこの社長とは、数年間いい距離感でお付き合いしていて(ずっとGiveをしていて)、そろそろ打診する時期だと判断して、この前聞いてみた。結果、検討してもらってるよ。一緒にやればきっと上手くいく自信もある」

「めっちゃ考えている。知的好奇心として」

さすが、勢いを感じますね。実に前向きです。


一方で、買収を考えたことのない社長の意見は以下の通りです。

■買収を考えたことのない社長

・資金不足
・そこまでキャッシュに余裕がない。
・まだ自社は成長期
・今でも大変なので
・まだメリットデメリットを整理できていない
・そこまでいききってない
・自社の能力だけでどこまでやっていけるか勝負したい



理由として、資金不足を挙げた経営者が多かったようです。

「考えたことがない」「興味がない」というよりは、「(今は現実的には)できない」という状況なのでしょうか。

実際に、“ない”という意見の中には、こんな回答の社長もいました。

・毎年法人税がいい感じにとられていくので。買うほどのキャッシュは残らない……
・ない。カネがない。いずれはなりたい。
・今のところはないが、将来的にシナジー効果が見込めて、ビジョンが合いそうな会社があれば検討したい
・会社を大きくしていく上での選択肢の一つとして考えてもいい 



小が大をのむ買収で数々の大勝負を挑み、自社を成長させてきたソフトバンクの例もあります。少なくとも、「資金がない」というだけで、買収に対して思考停止に陥ってしまうのは、得策ではないかもしれませんよ。


今回のアンケート、「考えたことがある」という回答はもちろん、「ない」という回答にしても、理由の説明がかなり具体的だったような気がしました。

逆に、一度は真剣に検討したことがあるからこその回答、と読むのはうがった見方でしょうか…。

このアンケートを見て、想定よりも「ある」という回答が少ないと感じたとしたら、もしかして、そんな事情も反映しているのかもしれませんよ。


いかがでしたか?逆視点で“売却を考えたことありますか?”もアンケートしています。社長のホンネ、次回以降も色々と聞いていきます!

取材 : INOUZTimes編集部 堀井達也
本記事は、INOUZTimesより転載しております。

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