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【M&A相談所】自社の売却、いつどう説明すべき?~その時どうする?

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※画像はイメージです

Q:自社の売却を検討していますが、正直、家族や従業員には伝えづらいです。どのように伝えればよいのでしょうか。

 北海道で従業員20人の広告代理店を営んでおります。65歳を越えて体調の不安を感じるようになっていた折に、セミナーで事業承継型M&Aの話を聞きました。弊社も後継者がいませんので、会社の譲渡によって後継者問題を解決できないかと考えております。

 心配なのは妻や従業員たちの反応です。妻は私の引退により資金面での不安を感じるかもしれません。また、苦楽を共にしてきた従業員たちからは、私が保身のためにみんなを裏切ったと受け止められてしまうかもしれません。反対が予想される中で、ほかの経営者の方々はどのように対応・解決されたのでしょうか。(北海道 広告代理店 S.Aさん)

A:タイミングとポイントを押さえた説明をすれば理解は得られるものです。

 日本の企業経営において「信頼関係」や「情」は重要な要素です。M&Aに際して、ご家族や従業員、そして取引先の反応を心配される経営者の方は多いですが、タイミングとポイントを押さえてきちんと説明すれば、周囲の理解は得られるものです。実際にはケース・バイ・ケースであり、一概にお話しすることは困難ですが、今回はよくお伝えする内容をご紹介します。

 従業員や取引先に知らせる際のポイントは表のとおりです。最も重要なのは「M&Aは極秘で進める」ことです。従業員にも取引先にも最終契約 締結後に知らせるのが基本です。事業承継型の友好的なM&Aであっても、詳しくない従業員はM&Aと聞くだけで「身売り?」「リスト ラ?」と漠然とした不安を感じるものです。漠然とした不安がさらなる不安を呼び、従業員から取引先に伝わったり、場合によっては従業員の自主退職という事 態を招き、企業価値が毀損することにもなりかねません。同様に、取引先も企業価値の一部ですから、不用意な形でM&Aが伝わり、取引先との関係が 悪くなるようなことは避けてください。

 ご家族、特に奥様の年齢が比較的若い場合、収入がなくなることによる老後の不安が生じてしまうことがあるようです。けれども、経営者の多くは金融機関か らの借入金の連帯保証をしているため、経営者に万が一のことがあれば家族はその連帯保証をかぶることになりかねません。経営者の年齢や健康状態にもよりま すが、M&Aに際しては、負債をご家族に相続させないことの本質を伝えることが重要になると思います。

 前述のとおり、オーナー企業のM&Aにおいては、関係者間の「信頼関係」や「情」といった、資料や数値には表れない要素がカギとなります。そして、その勘所は机上の知識ではなく、M&A業務に特化して多くの実務経験を積まなければ得られないものです。

 ご自身の場合はどうなのだろうと不安を感じられましたら、多くの実績と実務経験を持つ専門家にぜひご相談ください。

●継続取引の可否が企業価値に大きく関わる取引先がある場合には、最終契約の締結前に、買い手企業から取引が継続されることを確認するよう求められることもある。

表:従業員や取引先にM&Aを伝えるタイミングとポイント

従業員 取引先
● M&Aは従業員には極秘で行い、株式譲渡契約(最終契約)を締結した後に伝えるのが一般的である。
●取引先に対しても、最終契約が締結されてから知らせるのが基本である。
●従業員が不安に思うのは、自分の処遇(リストラがないか、給与や勤務先は維持されるのか、上司は変わらないかなど)に関することなので、その不安が解消されるように新旧の経営者が一緒に説明することが望ましい。 ●継続取引の可否が企業価値に大きく関わる取引先がある場合には、最終契約の締結前に、買い手企業から取引が継続されることを確認するよう求められることもある。
● M&A 交渉の後半になると必要に応じて役員や経理責任者などのキーマンに説明をすることもある。買い手企業がほぼ絞り込まれ、諸条件などの基本合意書の締結から買収監査(デューディリジェンス)が開始される間に、社長から役員・キーマンに説明することが多い。
●重要な取引先に対しては新旧の経営者が説明に赴き、そのほかは失礼のない手紙などで伝えるのが一般的。取引先の不安を解消するよう配慮することが重要である。

M&A情報誌「SMART」より、 2014年10月号の記事を基に再構成
文:M&A Online編集部

M&A Online編集部

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