Q:当社は上場申請期のベンチャー企業ですが、9月下旬に開催予定の臨時株主総会で、株式譲渡制限規定を廃止し、公開会社となる予定です。何か注意すべき事項はあるでしょうか?
また、登記申請時に株主リストの添付が必要になる改正があったと聞きましたが、具体的にはどのような改正があったのでしょうか。
A:現在、株式上場をしていない企業の約9割が、株式譲渡制限規定のある非公開会社と言われています。
非公開会社の方が、取締役会の設置が必須ではない・任期を最大10年まで伸ばせるなど、株主・役員数の多くない中小企業にとっては非常に便利だからです。
しかし、上場企業の場合は、市場で株式が流通するため、株式譲渡制限規定の無い公開会社であることが必須です。そのため、株式上場を目指す企業の場合、上場前までに株式譲渡制限規定を廃止して、公開会社となる必要があります。
一般的には、上場前、最後に開催する臨時株主総会で、株式譲渡制限規定を廃止するケースが多いかと思われます。
また、同臨時株主総会では、上場企業用の定款にするため、他にも株主名簿管理人設置・会計監査人設置・監査役会設置・事業目的の整備・取締役の任期を1年にするかどうか等、抜本的に定款規定の見直し・変更をする必要があります。
企業によっては、既に監査役会や株主名簿管理人が設置済である等、一部変更済の場合もあり、何が必要であるかは各社対応が異なります。
株式譲渡制限規定を廃止した場合、取締役・監査役の任期が全員満了します(会社法332条7項3号・336条4項4号)。
したがって、同臨時株主総会で、取締役・監査役の再任決議が必要になりますので、ご注意ください。
さらには、監査役会を新規に設置するのであれば、監査役の増員が必要になります。会計監査人を新規に設置するのであれば、会計監査人となる監査法人の選任決議も必要です。
一般的には、このタイミングの臨時株主総会の場合、招集通知の作成段階から、証券会社・信託銀行がアドバイスをしてくれますので、議案の漏れというのは少ないかもしれませんが、単に株式譲渡制限規定を廃止する等の定款変更を行うだけでは足りませんので、ご注意ください。
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