Q:自社の売却を検討していますが、正直、家族や従業員には伝えづらいです。どのように伝えればよいのでしょうか。

 特殊な精密加工を行う下請けメーカーで、弊社の技術は業界内でも高い評価をいただいてきました。ただ私も高齢になり後継者がいないので、最近はM&Aによる事業承継を真剣に考えています。

 一つお願いがあって、買い手候補の企業を探してもらうにあたって、弊社がM&Aを検討していることを取引先や同業メーカーに知られたくありません。どのように依頼すればいいのでしょうか。

( 東京都製造業 Y・Aさん)

A:限定された買い手候補企業にのみ情報開示することで解決できますが、何よりも重要なことは……

 あまりよい表現ではありませんが、「出回り案件」という言葉があります。「A社が譲渡を検討しており、買い手企業を探している」という情報があちこちに出回ってしまうことで、このような状況になると、A社の社員や取引先は不安を感じますし、よい買い手候補企業に巡りり合える可能性も下がります。重要な取引先に情報が漏れると取引に影響する恐れもあります。情報管理の失敗はM&Aの失敗につながるばかりでなく、会社の存続を危うくするリスクすらありますが、日常業務に忙しいオーナー経営者がご自身で情報管理を徹底するのは大変なことですから、信頼できるM&Aの専門家に依頼することがまず何よりも重要です。その上で、M&Aにおいて買い手候補企業にアプローチする際のポイントをお伝えします。