夫が会社を経営しています。最近は、子どもなどに会社を継がせるのではなく、M&Aによって、外部の企業に会社を譲渡するオーナー経営者が増えていると聞きました。どのようなメリットがあるのでしょうか。(相談者:70歳代・女性)

相続における「争族化」を防ぎ、事業を継続させやすくなります。

 中小企業の事業承継において、M&Aによる会社譲渡を行うケースが増えています。メリットはいくつかあります。

 例えば、相続にまつわるもめ事を減らす効果があります。個人の相続ではよく「争族」になると言われますが、企業においては株式が分散化することから、さらに「争続化」が深刻です。子どもが3人も4人、孫まで含めると10人以上もいるといった場合には、「争続化」が起こらないほうが珍しいでしょう。

 特に現金ではなく、不動産や株式を相続する場合には、もめがちです。息子さんや娘さんだけでなく、その配偶者、さらにはその子ども(孫)たちとなると、なかなかまとまりません。私が経験した案件では、関係者が外国人と結婚し、海外に住んでいるというケースもありました。この場合、海外の弁護士を立てて、その権利を主張してくることになります。解決までに時間も掛かります。

 関係者が多くてまとめるのが大変そうだ、後継者としてもふさわしい人間がいない、という場合には、M&Aで解決できることが多いのです。