HISが売却へ、なぜハウステンボスは3度も「身売り」された?

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コロナ禍による親会社の経営不振で3度目の身売りへ

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大に伴う非常事態宣言の発出などで、国内外からの観光客が激減。ハウステンボスも2020年9月期の売上高が前期(283億8100万円)の半分以下となる136億8400万円に激減し、33億9600万円の営業赤字(前期は56億500万円の黒字)に転落した。

その後は新型コロナの逆風下にもかかわらず入場者数を増やし、2022年3月中間期(2021年10月〜2022年3月)の連結営業損益は上期としては3年ぶりに黒字転換している。

だが、親会社のHISがコロナ禍から立ち直れず、2022年4月中間期(2021年11月~2022年4月)の連結最終損益で上期としては過去最悪となる269億円の赤字を計上したのを受けて、資金調達のためにハウステンボスの売却を決めたようだ。売却額は数百億円規模とみられている。

3回目の「身売り」となるハウステンボスだが、開業から30年を経過した現在もテーマパークとしての集客力は保っている。香港の投資会社は買収後も営業を継続し、香港や中国からのインバウンド観光客誘致に取り組む見通しだ。

新型コロナの新規感染者数は過去最大を更新しているが、日本政府は「ウイズコロナ」に舵を切り、外国人観光客の入国制限緩和も続く。ハウステンボスの業績は引き続き回復する可能性が高い。親会社であるHISの経営不振が大きな不安材料だったが、香港の投資会社への売却で解消される。ハウステンボスが閉園する恐れはなくなったと言えるだろう。

文:M&A Online編集部

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