ワクチン接種者に無料ビール「外食産業」の巻き返しなるか

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写真はイメージです

新型コロナウイルスワクチンの接種者が徐々に増える中、外出や飲食の自粛要請により大打撃を受けた外食産業で、ワクチン接種完了者を対象にした動きが現れてきた。

居酒屋など300店以上を展開するワタミ<7522>と、九州や中国地方で9業態100店舗以上の飲食店を運営するフードプラス・ホールディングス(長崎県佐世保市)は、6月からワクチン接種完了者を対象に生ビールの無料サービスや、食事代の10%割り引きサービスに乗り出す。

シニア向けコミュニティーサイト「趣味人倶楽部」を運営するオースタンス(東京都新宿区)と博報堂(東京都港区)による高齢者などを対象にした調査によると、ワクチン接種が外出への抵抗感を払拭するカギであることが分かったという。

新型コロナウイルス感染を避けるため自宅に籠りがちだった高齢者が、ワクチン接種によってどのように行動を変えるのか。効果によっては追随する外食店も増えそうだ。

生ビールやハイボールを1杯無料で提供

ワタミは6月1日から11月末まで、「ミライザカ」「鳥メロ」「焼肉の和民」などの同社が運営する居酒屋や焼肉店、レストランなどの全店舗(327店舗)で、新型コロナウイルスワクチンの2回接種を完了した来店客に、生ビール、ハイボール、ソフトドリンクなどのドリンクを1杯無料で提供する。

同社ニュースリリースより

ワクチン接種完了者から順に、コロナ禍以前のように外食を、安心して楽しんでもらいたいとの思いから実施に踏み切るもので、ワクチン2回接種完了の証明書を提示すれば、期間中は何度でも1日1杯注文できる。

緊急事態宣言や、まん延防止等重点措置の対象になっていない地域からサービスを始め、同宣言や措置が解除され次第、順次、実施店を増やしていく。

フードプラス・ホールディングスは6月8日から新型コロナウイルスワクチン接種完了者と同伴者を対象に食事代を10%割り引くサービスを始める。

同社はコロナ禍の中、さまざまな課題をサポートする施策を展開する方針を表明しており、今回の取り組みはその一環という。

ワクチン接種が外出への抵抗感を払拭

オースタンスと博報堂は共同で趣味人倶楽部の会員(会員34万人)を対象に、新型コロナウイルスによる生活への影響について調べた。その結果、新型コロナが収束したらやりたいこととして「旅行 (回答率83.2%)」「外食・宴会(同61.1%)」「ライブエンタメ(同32.0%)」が上位を占めた。

さらに同調査は「複数人での食事・宴会」「複数人での国内旅行」について、気がねなく出かけられるようになる条件について聞いたところ「集団免疫ができたら(同食事59.6%、国内旅行55.8%)」「同行者が全員ワクチンを接種したら(同食事47.9%、国内旅行42.8%)」となり、ワクチン接種が外出への抵抗感を払拭するカギであることが分かったという。調査は2021年3月9日-3月22日に実施し、60-94歳の男女797人から回答があった。

文:M&A Online編集部

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