元気寿司が天ぷら事業に参入「揚げ立て」にこだわる専門店とは

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写真はイメージです

すしチェーン店運営の元気寿司<9828>が、天ぷら専門店事業に参入する。2021年夏に東京都内に1号店を、2022年3月までに3店舗を出店する。

来店客の目の前で揚げ、揚げ立てを提供するスタイルで、ランチ、ディナーの両シーンで利用できるメニュー、空間、サービスを提供するという。

同社はコロナ後を見据え、本業のすしチェーン店の出店を加速するとともに、テイクアウトやデリバリーを強化し、海外についても250店舗体制(2021年3月末時点で192店舗)を目指す計画だ。

2022年3月期は、こうした取り組みでコロナ前の業績を回復できる見通しで、新業態となる天ぷら専門店の出店もこの一翼を担う。天ぷらはどこまで寄与することができるだろうか。

幅広いシーンで利用可能な天ぷら店

同社が5月31日に公表した2021年3月期決算説明資料によると、出店する天ぷら専門店はカウンター中心の10席ほどの規模で、米粉を用い、米油で揚げたサクサクの天ぷらを提供する。

同社はすし事業で作り立てを強みとしていることから、天ぷらでも揚げ立てにこだわったという。店内は余裕のある明るい基調としており、幅広いシーンで利用できるようにした。このためアルコール飲料の提供が制限されるコロナ禍にあっても、集客が見込める。

ただ天ぷらは、すしと並ぶ日本を代表する料理の一つで、需要が多い分、競争も激しそうだ。天ぷら専門で、どの程度の収益を上げることができるだろうか。

店舗イメージ(決算説明資料より)

魚べいなどの出店も加速

同社は2022年3月期に「魚べい」などのすし店を20店舗出店する。2店舗の退店を予定しているため18店舗の純増になる。コロナ禍にあった2021年3月期は出店15、退店8で、純増は7店舗にとどまった。このため純増は一気に2.5倍ほどになる。

テイクアウトやデリバリーについては、季節感やイベント感を楽しめるメニューを投入するとともに、テイクアウト専用の注文端末の設置などを進める。

海外については、行動制限が緩和された地域に指導のできる人材を派遣し、品質、サービス、清潔さの向上に取り組むほか、「寿司アカデミー」を開催し人材の育成を進める。さらに新規のフランチャイズパートナーを開拓し、海外店舗数を250店舗まで増やす計画。

こうした取り組みで2022年3月の売上高は前年度比22.6%増の468億8000万円を見込んでおり、2021年3月期に10期ぶりに赤字に転落した当期損益も黒字化し、コロナ前の2020年3月期の2億9200万円を大きく上回る13億円を見込む。

コロナ禍からの脱却は計画通り進むのか。

文:M&A Online編集部

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