「磯丸水産」を展開するSFPホールディングス<3198>がM&Aによって業容拡大を目指す戦略に舵を切った。同社は2019年3月に熊本県の居酒屋「前川水軍」を展開するジョー・スマイルを子会社化する。 

磯丸水産をはじめとする自社ブランド店の出店を加速するとともに、前川水軍の広域展開をサポートするのが狙い。 

同社ではこの戦略を「SFPフードアライアンス」と名付けており、今後M&Aを積極化し、日本だけでなく海外でも同様の手法で店舗網を広げていく計画だ。

 M&Aの対象企業から買い手に 

SFPホールディングスは1984年に東京都武蔵野市に「鳥良」(現在の「鳥良商店」吉祥寺南口店)を創業したのが始まり。

事業を拡大していく中、2000年にポラリス第二号投資事業有限責任組合が全額出資するサンフランシスコ・ホールディングスが同社の株式を取得し親会社となった。

さらに2013年にはクリエイト・レストランツ・ホールディングス<3387>がポラリス第二号投資事業有限責任組合などから同社株式を取得し、新たな親会社となった。

2014年に東京証券取引所市場第二部に株式を上場。2017年に現社名のSFPホールディングスに変更した。これまではM&Aの対象となってきたが、ジョー・スマイルの買収を機に、買い手企業の立場に転じることになる。

SFPホールディングスの沿革と主なM&A
1984 東京都武蔵野市に「鳥良」(現在の「鳥良商店」吉祥寺南口店)を創業
1984 名古屋市に「鳥良」の運営を目的とする有限会社鳥良を設立
1987 名古屋市に居酒屋への食材の供給を目的とする大興食品産業を設立
1996 大興食品産業をサムカワフードプランニングに社名変更
1996 サムカワフードプランニングが鳥良の事業を譲受け
1998 サムカワフードプランニングが鳥良を吸収合併
2010 ポラリス第二号投資事業有限責任組合が全額出資するサンフランシスコ・ホールディングスが株式を取得し、親会社となる
2011 サンフランシスコ・ホールディングスを存続会社として、旧サムカワフードプランニングを吸収合併すると同時に社名をサムカワフードプランニングに変更
2011 SFPダイニングに社名を変更
2013 クリエイト・レストランツ・ホールディングスがポラリス第二号投資事業有限責任組合などから株式を取得し、親会社となる
2014 東京証券取引所市場第二部に株式を上場
2016 事業持株会社体制へ移行
2017 SFPホールディングスに社名を変更
2019 ジョー・スマイルを子会社化

子会社化するジョー・スマイルは1993年設立の熊本市に本社を置く飲食店の運営会社で、前川水軍のほか「ひゃくしょう茶屋」や「居酒屋こもれび家」などを19店舗(2018年10月時点)展開している。2018年3月期の売上高は14億7900万円。

一方のSFPホールディングスは磯丸水産のほか「鳥良商店」「いち五郎」などを218店舗(2018年2月時点)展開しており、2018年2月期の売上高は368億4100万円。

この3カ年は店舗数の伸びに応じて売り上げも伸びており、2019年2月期の売上高は前年同度比1.8%増の375億円の見込み。ただ営業利益は業態転換による開業経費がかさんだこともあり、同19.3%減の28億5000万円にとどまる。

今後のM&Aにつての具体的な計画は明らかにしてないが、「日本全国、世界各国に広げる」としており、子会社化した企業のブランドを子会社が相互に手がけることも検討するという。

どのようなスピードで、どのようなブランドを傘下に収めていくのか。今後のM&A動向が注目される。

SFPホールディングスの売上高推移、2019年3月期は見込み
SFPホールディングスの営業利益推移、2019年3月期は見込み

文:M&A Online編集部