コンビニへの販路拡大で生き残り

 こうした事業多角化は季節要因の大きい業種では経営安定化のための必須条件といえる。ただ、買収したビジネスをそのまま展開しないところが「ホットランド流」だ。2015年には約2億円を投資して、たい焼き用の餡を生産する桐生工場内にアイス製造ラインを新設した。これにより日産2~3万本の製造が可能になる。同年夏に満を持して百貨店やショッピングモール、映画館や日帰り銭湯など全国およそ40カ所で出張ワゴン販売を実施。アイスキャンディだけで3億円以上を売り上げた。

 同年12月にはセブン-イレブンに「チーズケーキファンタジー」などコールド・ストーンの売れ筋アイスクリームを棒状にした専用アイスクリームバーを発売する。実はこれにも狙いがあった。国内のアイスクリーム・氷菓市場は拡大しているが、実態はコンビニなどでの小売りの好調によるところが大きい。同じアイス・冷菓でもコールド・ストーンのような外食業態は、コンビニに売り上げを食われてしまっていたのだ。ホットランドは「ならば伸びているコンビニ市場に商品を供給すればいいではないか」と考えた。

セブン-イレブンへの販路拡大に成功
セブン-イレブンへの販路拡大に成功  Photo by shibainu

 コールド・ストーンは買収後も閉店が続き、現在では20店舗にまで減っているが、セブン-イレブンへの商品供給は続いており、今後の展開が気になる。他社ではハーゲンダッツがピーク時に95店舗を出店したが、2013年にすべての店舗を閉鎖し、アイスメーカーに業態転換している。佐藤社長も「店舗数は若い人の集客が見込める20店程度まで整理する。今後はアイス事業を製造・卸と位置付ける」と話す。 

苦戦するカフェ事業

 このほかにもイオンモールとの合弁でカフェ・ショップの運営を手掛けるL.A. Styleを設立し、米国のThe Coffee Bean & Tea Leafの日本におけるフランチャイズ契約を締結している。2015年5月に1号店の 日本橋一丁目店をオープンしたが、2016年5月に国内12号店の東京ガーデンテラス紀尾井町店を開店したのを最後に出店がストップ。その後は閉店が相次ぎ、現在はわずか5店舗が残るのみだ。

 米国発の本格的なコーヒーはスターバックスコーヒーを皮切りに、タリーズコーヒーやシアトルズベストコーヒー などが次々と日本に上陸。2015年2月にはブルーボトルコーヒーが「清澄白河ロースタリー&カフェ」を開店。高価格帯の商品ながら、入店待ちの長い行列ができて話題になった。国内勢もドトールコーヒーや珈琲所コメダ珈琲店などが出店攻勢を強め、The Coffee Bean & Tea Leafは、激戦に埋もれてしまった格好だ。

苦戦するThe Coffee Bean and Tea Leaf
苦戦するカフェ事業 Photo by Aditya.Sengupta  

 ただ、ホットランドは切り替えも早い。2014年12月にはファーストフードのCOMEBUY JAPANを特別清算、2016年12月にはやきとりほっと屋を本体から切り離し、事業譲渡している。自社で成長軌道に乗せることができないと判断したら、即座に方向転換する素早さもホットランドの身上といえよう。