【AOKIホールディングス】M&Aで「ネカフェ」トップ企業に

alt

複合カフェでダントツに、課題は利益率の向上

大手企業がしのぎを削る紳士服チェーンやファッション小売業界と違い、複合カフェは中小事業者が多く、競争がそれほど厳しくないという事情もある。「快活CLUB」を運営するAOKI子会社の快活フロンティア(横浜市)が業界首位で、23日に買収を発表したランシステムが2位。このM&AでAOKIが複合カフェ「1強」状態となる。そもそも快活フロンティアも、2008年4月にAOKIが株式交換で完全子会社化した会社だ。

今後もAOKIは複合カフェのM&Aを積極的に推進し、縮小するファッション事業に代わる主力事業として育てていく。さらに同社の場合、紳士服店舗の多くは郊外で広い駐車場スペースがあり、乗用車での移動が当たり前の地方都市では複合カフェに最適の立地条件だ。紳士服店舗を「快活CLUB」に改装することで、縮小するファッション事業から複合カフェへの業種転換もスムーズにできる。

複合カフェシフトの課題は、利益率の向上だろう。「快活CLUB」の2022年3月期売上高営業利益率は2.89%と、ファンション事業の5.41%を大きく下回る。同社を支える主力事業となるには、最低でも5%は必要だ。2021年3月期末に前期比8店舗増の504店舗と500店舗を超えた「快活CLUB」だが、同期に29店舗を開店する一方で21店舗を閉店するなど出店戦略の精度にも問題がある。

複合カフェを紳士服に代わる看板事業とするには、M&Aによる規模拡大と同時に不採算店舗をなるべく出さない慎重な出店前審査が必須だろう。複合カフェ部門の営業利益率を引き上げるためには、出店先を精査して赤字店舗を出さないこと、それにより閉店費用を抑える必要がある。

この記事は企業の有価証券報告書などの公開資料、また各種報道などをもとにまとめています。

文:M&A Online編集部

M&A Online編集部

M&Aをもっと身近に。

これが、M&A(企業の合併・買収)とM&Aにまつわる身近な情報をM&Aの専門家だけでなく、広く一般の方々にも提供するメディア、M&A Onlineのメッセージです。私たちに大切なことは、M&Aに対する正しい知識と判断基準を持つことだと考えています。M&A Onlineは、広くM&Aの情報を収集・発信しながら、日本の産業がM&Aによって力強さを増していく姿を、読者の皆様と一緒にしっかりと見届けていきたいと考えています。


NEXT STORY

買収したり、提携したり…あの手この手で生き残る「洋服の青山」

買収したり、提携したり…あの手この手で生き残る「洋服の青山」

2022-03-05

「アパレル冬の時代」と言われて久しい。とりわけ紳士服はカジュアル化の流れに加えて、コロナ禍により自宅でのリモート勤務が増えたことで需要が激減。紳士服量販店チェーン「洋服の青山」を展開する業界最大手の青山商事も大打撃を受け、生き残りに必死だ。