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焼肉店は不発か? 転換進めたワタミの外食事業上期売上が28%の減少
ワタミの2022年3月期第2四半期の国内外食事業が前期比27.8%減の54億1,500万円となりました。ワタミは居酒屋から焼肉店への転換を進めており、日本政策投資銀行から120億円を調達しています。売上高は回復しておらず、転換後も集客に苦戦している様子です。
2022年3月期ワタミの外食事業の売上高は前期比11.6%減の151億1,900万円、68億7,200万円のセグメント損失(前年同期は96億1,500万円のセグメント損失)を計上しました。
■ワタミ外食事業業績推移
2022年3月末の店舗数は405店舗。2021年3月末は431店舗だったため、26店舗減少しています。売上高が11.6%減少したのは店舗数の減少も影響していますが、深刻なのは1店舗当たりの売上高も減少していること。2022年3月期に1店舗当たりが稼ぐ売上高の理論値は3,730万円。2021年3月期は3,970万円でした。5.9%減少しています。
日本フードサービス協会によると、2021年の焼肉店の売上高は2019年比で98.8%。居酒屋が78.8%でした。ワタミは直営の居酒屋店を焼肉店へと転換しましたが、その効果が表れていません。
直営、FCともに苦戦しています。
ワタミは2022年3月期にFC加盟店のアドバイザーであるSV(スーパーバイザー)を育成し、オペレーションやマーケティングのアドバイス、その他経営支援ができる人材を23名育成しました。しかし、「から揚げの天才」ブランドの集客効果が低ければFC加盟を希望する経営者は現れません。アークコアの早期撤退は、ブランド力の磨きこみが不可欠だということを示唆しているように見えます。
そして、から揚げ店は飽和状態にあります。2022年4月の全国のから揚げ専門店は推定で4,379店舗。2012年の450店舗から10倍に増加したと食品産業新聞が報じています。この店舗数にゴーストレストランは含まれておらず、その数はもっと多いものと考えられます。
から揚げという分野において、競合と差別化を図るのは簡単ではありません。
外食事業を尻目に、宅食事業は好調です。2022年3月期の宅食事業の売上高は前期比10.9%増の406億4,600万円、セグメント利益は同67.9%増の50億7,100万円でした。ワタミは2008年7月にタクショク(2015年12月にワタミ株式会社に社名変更)の全株を取得。宅食事業を本格化させていました。
当初はシルバー層をメインターゲットとして事業を拡大していましたが、2022年2月に新ブランド「PAKU MOGU(パクモグ)」を立ち上げました。20~40代の子育て世代をターゲットとし、ミールキットを配達するサービスです。宅食事業の売上高は外食事業を2.5倍以上上回っており、今やワタミの主力事業となりました。注力事業を外食から宅食へと少しずつ移しているように見えます。
麦とホップ@ビールを飲む理由
ワタミの2022年3月期第2四半期の国内外食事業が前期比27.8%減の54億1,500万円となりました。ワタミは居酒屋から焼肉店への転換を進めており、日本政策投資銀行から120億円を調達しています。売上高は回復しておらず、転換後も集客に苦戦している様子です。