「スシロー」「くら寿司」など回転ずし大手の店舗数が10年で1.6倍に

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10年で870店増加

スシロー、くら寿司、はま寿司、かっぱ寿司、元気寿司の回転ずし大手5社の店舗数が、この10年で870店増え、2200店(2022年2月末時点)に達したことが分かった。

帝国データバンク(東京都新宿区)が実施した回転ずし業界の動向調査で明らかになったもので、2021年度の店舗数は10年前の2011年度(1330店)の1.6倍強になる。

これまでの郊外ロードサイドの立地に加え、新たにターミナル駅近隣などの都市部への出店が増えたことから数字が伸びたようで、コロナ前の2019年度と比べても150店増えた。

また、これら大手5社を含む回転ずしの市場規模(事業者売上高ベース)は、2021年度(見込み)が7400億円で、こちらも10年前の2011年度(4636億円)の1.6倍ほどに膨らんだ。

前年の2020年度は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で休業や時短営業などを余儀なくされ、市場が縮小したが、2021年度はテイクアウト需要などに支えられ、コロナ前の水準にまで回復する見込みだ。

値上げの影響は

ロシアによるウクライナ侵攻に伴うロシア産水産品の禁輸や物流網の制限などで、すしネタとなる水産品の価格が高騰しているほか、円安によって輸入食品やエネルギーの価格なども上昇している。

こうした中、最大手のスシローが2022年10月からの値上げを発表しており、38年間続けてきた1皿100円(税抜き)での提供を打ち切る。

他の回転ずしチェーン店は、今のところ値上げを表明していないが、人件費や物流費なども上昇傾向にあるため、価格を据え置いたまま、品質を維持するのは難しいと見られており、今後スシローに追随するチェーン店が出てくる可能性は高そう。

コロナ禍の中でも消費者の支持を集めている回転ずしだが、値上げによる影響はどのような形で現れるだろうか。今後の他のチェーン店の動向に関心が集まる。

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文:M&A Online編集部

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