”爆弾ハンバーグ"がガストとサイゼを引き離して一人勝ちした理由

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爆弾ハンバーグのフライングガーデン<3317>が2022年3月期第3四半期で2億3,300万円の営業利益(前年同期間は1億2,300万円の営業利益)を出しました。ファミリーレストラン業界において、時短協力金に頼らないで黒字化を果たしている数少ない企業です。フライングガーデンのビジネスモデルは新常態のレストラン経営の礎となるのかもしれません。

この記事では以下の情報が得られます。

・フライングガーデンの業績
・主要ファミリーレストラン企業の協力金依存状況

コロナ禍で営業利益率を1.5%から3.8%に改善

フライングガーデンは新型コロナウイルス感染拡大が深刻化した後も、本業での黒字化継続に成功しています。国内初の緊急事態宣言が発令された事業年度である2021年3月期は1億4,900万円の営業利益。2022年3月期も2億4,000万円の営業利益を予想しています。

■フライングガーデン業績推移

※営業利益の目盛は右軸
2020年3月期 2021年3月期 2022年3月期
予想
売上高 7,031 5,993 6,390
前期比 96.0% 85.2% 106.6%
営業利益 105 149 240
前期比 35.8% 141.9% 161.1%
営業利益率 1.5% 2.5% 3.8%

決算短信より筆者作成

2022年3月期の売上高は63億9,000万円を予想しており、コロナが深刻化する直前の2020年3月期の9.1%減となりますが、経費削減を進めた結果、営業利益は2.3倍となる見込みです。営業利益率は1.5%から3.8%へと2.3ポイント改善されることになります。

協力金バブルと言われている通り、多くの飲食店は時短協力金に依存しています。すかいらーくホールディングス<3197>、サイゼリヤ<7581>、ジョイフル<9942>は直近の決算で純利益を出していますが、協力金なしに黒字化は不可能でした。下のグラフは各社の純利益が協力金にどれだけ頼っているかを示したものです。分母を純利益、分子を協力金で算出しています。100.0%を上回ると、協力金なしには利益が出ないことを示しています。4社の中でフライングガーデンのみ92.2%となって100.0%を下回りました。

※決算短信より筆者作成


すかいらーくは「ガスト」にから揚げ専門店「から好し」を併設し、2枚看板体制を進めています。デリバリー機能を内製化することでUberEatsなどに依存しない利益率の高いビジネスモデル構築を急いでいます。足元では客数の減少に加え、設備投資費が嵩んでいるものと考えられます。

サイゼリヤは深夜営業の取りやめ、デジタル化による省人化に努めるなど、利益重視型の経営体制へとシフトしました。各社新常態に向けて試行錯誤を続けています。

なぜフライングガーデンだけが無風状態でいられたのでしょうか。

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