WDIが承継した老舗すき焼き店「ちんや」が3月に再オープン

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「ハードロックカフェ」や「カプリチョーザ」を運営するWDI<3068>が、明治13年に創業した老舗すき焼き店「ちんや」を2021年8月に承継しました。新型コロナウイルス感染拡大の影響で閉店していた「ちんや」は、WDIグループのもと2022年3月に創業の地浅草で再オープンを予定しています。WDIは中期経営計画で「真のグローバル企業へ」という定性目標を掲げており、老舗ブランドの世界展開にも期待がかかりますが、2022年3月期第2四半期に1億6,200万円の純損失(前年同期は15億7,200億円の純損失)を計上するなど、足元の業績立て直しに苦心しています。WDIとはどのような会社なのでしょうか?

この記事では以下の情報が得られます。

・WDIの業績
・「ちんや」の詳細

ブランドを取得して育てるビジネスに強み

「ちんや」は江戸時代、豪商に人気だった犬の「狆(ちん)」を納め、獣医も兼ねていた「狆屋」が始まり。明治13年に料理屋へと転じてからもその屋号を使い続けました。明治36年にすき焼き専門店となり、昭和50年に現在の建物に立て替えられました。浅草にある「ちんや」は国内外の観光客に人気の店で、新型コロナウイルス感染拡大の影響を強く受けました。建物の老朽化も重なって2021年8月15日に閉店することとなりました。

2021年8月13日にWDIが株式会社ちんや(東京都台東区)から「ちんや」ブランドを取得すると発表します。事業承継に際して、店主である住吉史彦氏が引き続き店舗運営に参画し、その味やサービスの伝統が引き継がれるよう取り図られています。

「ちんや」は使用する肉を黒毛和種のメス牛肉に限定し、A5等級の使用をやめる「適サシ肉」を宣言して商標登録するなど、極上のすき焼きを提供する姿勢を貫いてきました。そうしたこだわりはWDIにも引き継がれる見込みです。2022年3月の新生「ちんや」は創業の地である東京浅草の江戸通り沿いへ移転してオープン。2月21日からオフィシャルサイトで予約を受け付けます。

WDIはレストランブランドの取得やフランチャイズ契約を結び、国内外で展開するビジネスに強みを持っています。主力レストランとなる「カプリチョーザ」は、1985年に伊太利亜飯店華婦里蝶座(渋谷区)とフランチャイズ契約を結んで全国展開しました。アメリカで誕生した人気店「ハードロックカフェ」、「ウルフギャング・ステーキハウス」の日本展開を仕掛けたのもWDIでした。洋食レストランブランドに強みを持っていますが、東京墨田区の焼き肉レストラン「巨牛荘」のブランドを展開する権利も1995年に取得しています。

2011年、WDIは香港、中国に出店するための子会社味都特亞洲餐飲管理(香港)を設立しました。それを足掛かりとして「カプリチョーザ 成都店」など中国への出店を強化します。「ダイニングカルチャーで世界をつなぐ」を企業理念とするWDIの世界展開は真骨頂とも言えました。しかし、新型コロナウイルス感染拡大で急ブレーキがかかります。

2021年3月期の売上高は前期比47.1%もの減少に見舞われました。

■WDIの業績推移(単位:百万円)

2018年3月期 2019年3月期 2020年3月期 2021年3月期 2022年3月期
予想
売上高 28,737 29,783 29,876 15,815 19,500
前期比 105.8% 103.6% 100.3% 52.9% 123.3%
純利益 72 394 -622 1,685 500
前期比 22.1% 547.2% - - 29.7%

決算短信より筆者作成

純利益は右目盛り

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