「いきなりステーキ」が黒字化を達成、不採算店の退店が奏功

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いきなりステーキ アピタテラス横浜綱島店

過剰出店と新型コロナウイルス感染拡大のダブルパンチで大不振に陥ったいきなりステーキが息を吹き返しました。2021年12月期第3四半期において、いきなりステーキ事業単体で9,500万円のセグメント利益(前年同期は18億500万円の損失)を出しました。事業の売上高は前期比39.3%減の127億1,400万円となったものの、利益が出る体質へと変化しました。

投資ファンドJ-STARにペッパーランチを譲渡して73億2,000万円の売却益を得たペッパーフードサービスは、アドバンテッジアドバイザーズ傘下のファンドを引受先とする第三者割当増資も実施して100億円を調達。債務超過を脱して自己資本比率は25.1%まで回復しました。

調達した資金で徹底的な退店を実施しているペッパーフードサービスは、着実に稼ぐ力を取り戻しています。この記事では以下の情報が得られます。

・いきなりステーキの業績
・業績回復に向けた取り組み

2021年12月期は黒字に転換

いきなりステーキ事業単体では黒字化を達成しましたが、「炭焼きステーキくに」「牛たん仙台なとり」など他のレストラン事業が1億1,500万円のセグメント損失を計上したため、会社としては2021年12月期第3四半期に1億9,700万円の純損失(前年同期は33億400万円の純損失)を計上しています。ただし、通期では6,100万円の純利益を予想しています。

ペッパーフードサービスの業績回復に向けた一番の取り組みは、114店舗という桁違いの大規模退店計画です。すでに107店舗は閉店が決定しています。飲食店は原状回復させるための費用が、一般的な相場で1坪あたり5万円前後必要です。いきなりステーキのように特殊な店づくりの場合は居抜き物件としての売却は難しく、原状回復が求められるでしょう。店舗の坪数は20坪ほどなので、単純計算で100店舗の退店費用だけでも1億円にのぼる計算です。

その他、早期撤退による賃料の支払いや従業員の退職金など、相当な額の費用が必要になります。また、退店による会計処理で特別損失を計上することにより、利益も圧迫されます。多店舗展開する飲食企業が、退店よりも業態転換で店舗を存続しようとする理由はそこにあります。

しかし、ペッパーランチ事業の売却とアドバンテッジへの第三者割当増資によって巨額の資金を調達したペッパーフードサービスは、大規模な退店を決めました。その成果は出ています。2020年12月期までは事業単体で全く利益は出ていませんでしたが、2021年12月期に入ってからは赤字を一度も出していません。

■いきなりステーキ事業四半期ごとの売上高と利益の推移(単位:百万円)

2020年12月期 2021年12月期
第1四半期 第2四半期 第3四半期 第4四半期 第1四半期 第2四半期 第3四半期
売上高 10,021 14,809 20,953 26,954 4,572 8,665 12,714
セグメント利益 -542 -1,427 -1,805 -1,727 23 76 95
利益率 - - - - 0.5% 0.9% 0.7%

決算短信より筆者作成

※利益は右軸

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