~東芝の米国原子力子会社が連邦破産法第11章の適用を申請~

3月29日(米国現地時間)、(株)東芝(TSR企業コード:350323097、法人番号:2010401044997、港区)の原子力子会社Westinghouse Electric Company LLC(DUNS:06-266-1272、1000 Westinghouse Drive,Cranberry Township,PA 16066,USA、設立1886年1月8日、代表者:Jose Emeterio Gutierrez氏、以下:ウェスチングハウス社)と、米国関係会社並びに米国外の事業会社群の持株会社であるToshiba Nuclear Energy Holdings (UK) Limited(DUNS:77-960-7253、3 Furzeground Way,Stockley Park,Uxbridge,Middlesex,UB11 1EZ,United Kingdom、設立2006年9月8日、資本金1400百万米ドル、代表者:畠澤守氏)はニューヨーク州連邦破産裁判所に連邦破産法第11章(日本の民事再生法に相当)の適用を申請した。
2社の負債合計は98億1100万米ドル(平成28年12月31日時点)。うち、12億8700万米ドルは東芝を含む東芝グループに対するもの。

ウェスチングハウス社は平成18年2月、英国企業から東芝がパートナー企業とともに約54億ドルで株式を取得したことで、東芝の連結子会社となった。当時、東芝は、「ウェスチングハウス社の株式取得の目的として、沸騰水型(BWR)のプラントを得意する東芝と、加圧水型(PWR)プラントを手掛けるウェスチングハウス社がグループとなることで大幅な事業拡大が図られる」としたうえ、米国やアジア(中国)でRWR型のAP1000を拡販し、事業規模は取得前の2000億円から27年までに6000億円から7000億円の売上高に拡大すると予測していた。

21年4月には、米国内で約30年ぶりとなる新規建設となるAP1000をウェスチングハウス社が契約した。しかし、27年10月に規制強化などからコスト負担や納期変更の協議がまとまらず、また契約上の追加コストの負担が発生する可能性があることが判明した。
そのため、ウェスチングハウス社は27年12月に新たな工事損失負担などを防止することを目的にCB&I Stone & Webster,Inc.(DUNS:08-013-0922、アメリカ)を買収した。しかし、米国AP1000プロジェクト(米国原子力発電所2サイト4基の建設プロジェクト)の見積コストにおいて約61億ドルの増加が判明。

親会社の東芝は28年3月期第3四半期においてのれん減損額として7125億円を計上することで、大幅に財務が悪化する見通しとなり29年3月、ウェスチングハウス社のグループ内での位置付けを見直し、再編検討を進め、将来のリスクを遮断するためにウェスチングハウス社を法的申請により処理することとなった。

なお、ウェスチングハウス社に対する東芝の保証(約6500億円、平成29年2月末時点)の全額引当計上、債権全額(1756億円、同)に対する貸倒引当金を見積もった場合には、東芝の29年3月期連結決算で当期純損失は3900億円から1兆100億円に拡大、株主総資本は▲1500億円から▲6200億円、連結純資産は1100億円から▲3400億円になる可能性があると公表した。

※D-U-N-S® Numberとは全世界の多くの企業、政府が、データベース上で企業を識別する手段として採用している、Dun & Bradstreetが発行する世界標準の企業識別コードです。

東京商工リサーチ「データを読む」より

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