企業倒産の低水準な推移が続くなかで、中小企業を中心に人手不足は解消されていない。
人手が不足している企業のなかには、就業環境の悪化等から離職を招いて正社員の定着率が低くなり、さらに人手不足が深刻化するという悪循環に陥いっているケースもみられるという。
東京商工リサーチでは、これまでも「人手不足」関連倒産を集計してきたが、主に代表者死亡や入院などによる「後継者難」型が中心だった。だが、人手不足感が解消されないなかで「求人難」型の推移が今後注目される。
2016年7月の「人手不足」関連倒産は27件(前年同月29件)になった。内訳は、代表者死亡、入院などによる「後継者難」型が26件、「求人難」型が1件だった。
2016年1-7月の「人手不足」関連倒産は176件(前年同期比4.8%減、前年同期185件)。内訳は、代表者死亡などによる「後継者難」型が156件(前年同期164件)、「求人難」型が10件(同16件)、「従業員退職」型が10件(同5件)だった。
また、人件費高騰による負担増から資金繰りが悪化したなどの、2016年1-7月の「人件費高騰」関連倒産は16件(前年同期18件)だった。