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2つのルーツを持つ「南部鉄器」の底力|産業遺産のM&A

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奥州市鋳物技術交流センターにある南部鉄器「大鉄瓶」

南部鉄器と一口にいっても、そのルーツは2つある。1つは文字どおりの南部、すなわち岩手県の南部藩、現在の盛岡市を中心とした鋳物産業の製造品だ。そして、もう1つは同じ岩手県内でも南部の水沢(奥州市)に花開いた鋳物産業である。

南部藩の鉄器を盛岡南部鉄器というなら、後者は伊達仙台藩であった水沢を中心に生まれた鉄器ということで区別し、「水沢鉄器」ということになるだろう。「南部藩の南部鉄器も岩手県南部(水沢)の南部鉄器も、どちらも“南部の鉄器”だ」と気にかけない人もいるが、「歴史が違うのだから、きちんと区別すべき」という向きもある...

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