富岡製糸場を蚕業の首都ととらえると、長野県はその首都へ向かう蚕業の経由地。岡谷をはじめ諏訪地方から上田・小諸に延び碓氷峠を越える中山道沿いは、白いダイヤとも呼ばれた繭・生糸を運んだ信州シルクロードと呼ぶべき蚕業の道だった。
長野県の東信地域に位置する上田は蚕都とも呼ばれ、周辺には産業の中核をなす製糸場がいくつかあった。その代表的な製糸場が常田館製糸場だ。常田館製糸場は現在、ハーネス加工や発泡スチロールなどを製造する老舗メーカーである笠原工業株式会社(上田)の敷地内にある...
石貨、南極の石、オオカミ像…。都心の緑のオアシスと形容される日比谷公園(東京・千代田区)。開放的な広場と四季折々の豊かな自然がバランス良く配置され、散歩やちょっと一休みにもってこいだ。そんな園内の所々に、意外な見どころがあった。
埼玉県北部に位置する行田市は、足袋づくりが伝統産業として根づいている町。だが、市場全体が縮小するなかで足袋づくりよりむしろ足袋の保管庫「足袋蔵」の町として有名になってきた。個性豊かな足袋蔵は、どのようにして生まれ、また町に根づいてきたのか。
東京大学は日本国内に7つの地方演習林を所有している。最も古くに開設され、総面積5812ヘクタールを擁するのが秩父演習林である。演習林内にはいくつかの森林軌道が敷かれ、往時には大活躍していた。今回はその森林軌道をめぐるM&Aを見ていく。
埼玉県北部の深谷市。新1万円札に載る渋沢栄一の生誕の地。深谷は「煉瓦の町」としても知られる。深谷駅の駅舎は東京駅を模した造り。そして、その東京駅の赤煉瓦を供給したのが、深谷市上敷免にあった日本煉瓦製造株式会社である。