海運王国・愛媛、三津浜に残る「石崎汽船旧本社」|産業遺産のM&A

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港町・三津浜の三津ふ頭近くにある石崎汽船旧本社

愛媛県松山市の三津浜といっても、地元の方々以外は知らない人が多いかもしれない。松山は日本の県庁所在地の中でも早くから軽便鉄道が充実し、旧国鉄の鉄道網が敷かれたのが遅かった地の一つ。ちなみに現在の松山・三津浜間を走る伊予鉄道の軽便列車は県内初の鉄道であり、全国で3番目の私鉄である。

従来、市内の公共交通網は有名な「坊ちゃん列車」を走らせる伊予鉄グループの路面電車やバスが中心であり、山を隔てた県内他地区には便利とはいえず、さらに瀬戸内に出るには海運に頼っていた。

三津浜はその海運全盛期の松山の主要港、海の玄関口であった。文豪のまち・松山...

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