テナントとして入り込む隙を失ったクラウディア

【貸衣装】

もともと主力だった事業です。ホテルや結婚式場などにテナントとして入り、ウエディングドレス、和装などのレンタルを行う事業です。売上、件数ともに落ち込んでいます。クラウディアは提携先を拡大できていません。

クラウディア「決算説明資料」
クラウディア「決算説明資料」より

かつて、結婚式場の運営会社とドレスショップは、役割がきっちりと分かれていました。運営会社は集客して施行組数を増やすことに注力し、ドレスショップは花嫁の夢をかなえて顧客満足度の向上に専念すればよかったのです。

しかし、固定費が高くハイリスク・ハイリターンな運営会社にとって、利益率の高いドレスレンタルは魅力的でした。そこで、各社が自社のドレス部門を持つようになったのです。反対に、ドレスショップも結婚式場運営へと乗り出しました。かつて協業していた運営会社とドレスショップが競合するようになったのです。

アイネスヴィラノッツェのチャペル
アイネスヴィラノッツェのチャペル


クラウディアも結婚式場を運営するようになりましたが、前述のように不発に終わっています。結婚式場運営は春・秋の超繁忙期に稼げるだけ稼ぐモデル。限界利益率は高いものの、損益分岐点も高い。ちょっとしたことで施行組数が落ちると、赤字になる可能性があります。

そんなリスクを抱えるくらいなら、やはりテナントとして入っていた方が得策に思える。つまり、提携会場を増やしてドレスの稼働を高めれば良いわけです。しかし、そう簡単に提携会場を増やすことはできません。

下の表は、クラウディアの差入れ保証金の推移です。ドレスショップはテナントとして入る際、保証金を差し入れるのが普通。その増減で提携会場が増えているか、減っているかがわかります。

決算2014年8月期2015年8月期2016年8月期2017年8月期2018年8月期
店舗保証金11億6100万円
(1.3%減)
11億5700万円
(0.3%減)
12億400万円
(4.1%増)
11億300万円
(8.4%減)
10億4700万円
(5.1%減)

有価証券報告書より筆者作成

保証金は2016年8月に増加したのち、減少が続いています。思うように、提携会場を増やすことができていません。テイクアンドギヴ・ニーズ<4331>やエスクリ<2196>などのウエディング企業がドレス事業を持つようになり、新規出店会場にはテナントとして入りづらくなりました。そして、既存のホテルや会場などにはすでに業者が入っており、提携の余地がないものと考えられます。

こうした背景を踏まえ、内田写真買収に動いた可能性が高い。老舗の内田写真は、帝国ホテルなどの超一流会場に食い込んでおり、太いパイプでつながっているからです。同社の業績は決して良いものではありません。取引基盤の拡大が買収の主目的だと考えられます。

【内田写真過去3年間の業績】

決算2015年12月期2016年12月期2017年12月期
売上高24億6100万円22億2900万円20億8900万円
営業利益△1億100万円△1億1200万円△6400万円

クラウディアの買収発表より筆者作成

内田写真の本社は、大阪天満宮の横にあります。土地の所有者は代表の内田昌彦氏の個人所有。クラウディアはその土地の購入も検討中です。衣裳店と宴会場の新設など、神社婚との相乗効果が狙えます。

提携会場の拡大と不動産の開発。内田写真の買収は、クラウディア起死回生のチャンスとなるでしょうか。

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