分散型アプリケーション(Dapp)と仮想通貨を結びつけた動きは他にもある。
ノルウェーのソフトウエア開発会社であるオペラが、スマートフォンでインターネットを利用する際に必要なソフトウェアであるブラウザーに、仮想通貨を保管する場所であるウォレットを内蔵した新しい製品を開発した。
グーグルが開発したモバイル用のOS(基本ソフト)であるアンドロイド向けで、このブラウザーを使えば新たなソフトを立ち上げずに仮想通貨の送受信ができるようになる。
新しいブラウザーソフトは分散型アプリケーション(Dapp)であり、この機能によってイーサリアムネットワーク上に構築されている分散型アプリケーションに簡単にアクセスできるようになる。
イーサリアムネットワークは仮想通貨のイーサリアムの促進を目的に構築されたシステムで、2017年にイーサリアムネットワーク上で開発された分散型アプリケーションは1000個を超え、発行されたトークン(モノやサービスと交換できる代替貨幣、仮想通貨のようなもの)は700種以上になったという。
メジャーなスマートフォン用のブラウザーに仮想通貨ウォレット機能が付加されたことで、スマートフォンを使った新しい仮想通貨サービスの開発が期待できる。
一方、仮想通貨を保管する場所であるウォレットとしては、仮想通貨交換業者が運営する取引所がある。ただ、取引所の場合は2018年1月に580億円分もの仮想通貨ネムの不正流出事件を起したコインチェックのように、外部からのハッキングのリスクがある。
これに対しウェッブ上に仮想通貨を保管するサービスや、今回のようにスマートフォンの中に仮想通貨を保管するなどの方法の方がハッキングなどのリスクは減る。
日常的に使用しているスマートフォンで安全に仮想通貨が利用できるようになれば、利用するユーザーは確実に増えるはず。さらに、政府による仮想通貨の監視が強化されれば、不正なども減り一層安心感が高まる。
スマートフォンユーザーと仮想通貨の接点は増えていきそうだ。