カネカは1949年(昭和24年)に「鐘淵化学工業株式会社」として資本金2億円で創立し、同年に塩化ビニル樹脂「カネビニール」を開発した。以来、化成品、機能性樹脂、発泡樹脂・製品、食品、ライフサイエンス、エレクトロニクス、合成繊維などの分野でメーカーとして活動してきた。
2009年9月1日に創立60周年を迎えたのを機に2020年を最終年度とする長期経営ビジョン「KANEKA UNITED宣言」を策定。「環境・エネルギー分野」「健康分野」「情報通信分野」「食料生産支援分野」を四つの重点分野として定めるとともに、海外売上高比率を40%から70%にまで引き上げることなどを目標にした成長戦略を描いた。
そのうえでこれまでの事業部組織を改編し、四つのユニットにまとめ直した。それが地球環境保護と快適な暮らしに貢献する「Material Solutions Unit」、省エネルギーと豊かなくらしの創造に貢献する「Quality of life Solutions Unit」、高齢化社会・医療高度化社会に貢献する「Health Care Solutions Unit」、健康と豊かな「食」に貢献する「Nutrition Solutions Unit」だ。
〇カネカのユニット別の売上高
ユニット名 | 売上高 |
---|---|
Material Solutions Unit | 2830億円 |
Quality of life Solutions Unit | 2500億円 |
Health Care Solutions Unit | 1400億円 |
Nutrition Solutions Unit | 2000億円 |
カネカは2020年3月期に売上高8800億円、営業利益870億円を目指している。そして、それぞれのソリューションユニットの売り上げは「Material」が2017年3月期比32%増の2830億円、「Quality of life 」が同28%増の2500億円、「Health Care」が同16%増の1400億円、「Nutrition」が同23%増の2000億円といった具合になる。ちなみに航空・宇宙分野は最も大きな売上規模となる「Material Solutions Unit」に属する。
この数字達成のための方策として新製品や新素材の提供と並んで、力を入れて取り組んでいくのがM&A。技術や市場を持つ企業を傘下に収めることで、成長のスピードを上げていく作戦だ。