四国電力が伊方原発2号機の廃炉を決めた。東電福島第1原発事故を受けて定められた新規制基準を満たすには巨額の設備投資が必要で、老朽化した小出力の原発を再稼働するメリットはないと判断したのだ。だが、事情は他社も同じ。今回の廃炉は序章にすぎない。
東芝が原子力発電事業から事実上撤退し、日本政府が地球温暖化対策の要として展開してきた原発輸出にもブレーキがかかった。国内原発の多くは再稼働しておらず、逆風は相変わらずだ。そこで橘川武郎東京理科大大学院教授に今後の原発ビジネスについて聞いた。
原発停止による代替燃料のコストアップは年間3兆円ともいわれており、電力業界は苦境に立たされている。連載第3回は「電力業界とM&A」について、エネルギー産業の動向に詳しい東京理科大学橘川教授に話を伺った。