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【日立製作所】危機から一転好調へ。選択と集中にM&Aを活用

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グループ子会社の再編後、M&Aにより海外市場への進出を図る

 12年6月、グループ会社である日立パワーヨーロッパがドイツのクセルフォン・エナジーを買収している。同社はドイツの有力な発電プラントサービス会社の一つであり、ドイツ国内だけではなく周辺諸国にも顧客ネットワークを有し、東欧、中東、アフリカ諸国においても数多くの実績を残している。

 さらに、同年11月には英国の原子力発電事業開発会社ホライズン・ニュークリア・パワーを約892億円で買収している。同社を買収したことによる業績への影響は、イギリスでの原子力発電所の建設が始まる前に許認可を得る必要があるため先の話となるが、将来的な収益源を狙った買収である。日立としては、当時の民主党政権下で脱原発へ向かう日本に依存せず、海外展開に活路を見出そうとする戦略があったことがうかがえる。

 そして15年2月、日立にとって過去最大の買収となった、イタリアの防衛大手フィンメカニカ傘下にある鉄道関連企業、アンサルドブレダおよびアンサルドSTSの2社を買収する。
本買収も先の原子力事業と同じく、日立の戦略は成熟した国内鉄道市場から海外へ進出することであった。
欧州の鉄道産業は世界の46.4%を占める世界最大の市場であり、日立にとっても決して無視できない市場であった。

 日立にとって欧州への進出は喫緊の課題であったが、欧州ではすでに鉄道ビッグスリー(カナダ・ボンバルディア、ドイツ・シーメンス、フランス・アルストム)が牙城を築いていた。ビッグスリーの鉄道事業の売上高はいずれも8000億円を超え、日立の1700億円とはかなりの隔たりがあった。
しかし今回の買収により、アンサルドブレダの売上高約700億円と、アンサルドSTSの約1700億円が加算され合計して約4000億円となった。

■業績推移


■国内/海外売上比率

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