「すき家」を展開するゼンショーホールディングス<7550>が、64%の株式を保有するジョリーパスタ<9899>株式交換により完全子会社化します。交換比率はゼンショー1に対してジョリーが0.8。交付する株式数は450万株(84億円相当)となります。

ゼンショーは昨年12月にレストラン事業の統括・支援を行う新会社「日本レストランホールディングス」を設立。傘下のジョリーを新会社に承継させてグループを再編していました。

そして、ゼンショーが株式の50%を保有するココスジャパン<9943>は、4月に株主優待を廃止すると発表しています。こちらも、完全子会社化に向けて着実に動いているように見えます。

ジョリーパスタ
全国250店舗展開するジョリーパスタ


ディスカウントTOBとなるジョリーの株式交換

ジョリーの完全子会社化を発表した、5月14日のゼンショーの株価終値は2317円。ジョリーパスタが1880円でした。株式の交換比率は1:0.8なので、ジョリーの株主は2317円×0.8=1853円での交換となります。今回の子会社化は、実質的なディスカウントTOBです。

完全子会社化する目的は、ジョリーを上場廃止にして、意思決定の迅速化と上場維持コストの削減にあると考えられます。ジョリーは2007年にゼンショーの連結子会社となっており、物流や人的資源の有効活用などはすでに行っていました。上場廃止が今回のポイントです。

ゼンショーは、昨年12月に新会社日本レストランホールディングスを設立しました。この会社は、レストラン事業の売上の6割を占める、ジョリーとココスを統括する目的で作られています。ジョリーは今回の完全子会社化により、統括会社への引き渡し態勢が完璧に整ったわけです。

ゼンショーは、連結子会社のココスも完全子会社化して、いち早く経営管理の効率化を図りたいはず。なぜなら、同社は2019年3月期の経常利益が前期比41%減の9億円と、業績が芳しくありません。上場廃止にして経営のテコ入れをしたいのは、むしろココスの方なのです。

ストップ安で株価は30%下落

ココスは4月15日に株主優待の廃止を発表しました。その影響で15日に2238円だった株価は、翌日から売りが殺到。ストップ安に見舞われました。18日に1601円の安値をつけています。

このとき、ココスは自社株を除く、発行済み株式数の6%にあたる100万株(20億円相当)の自社株買いをすると発表しています。

業績立て直しが急務な状況での統括会社設立。株主優待の廃止。優待廃止による株の失望売りと下落。浮動株を買い集める自社株買い。

こうした一連の動きから、ゼンショーがココスの完全子会社化を狙っているのでは、という噂が囁かれるようになりました。