「ステーキのあさくま」が6月27日に新規上場へ

「ステーキのあさくま」を全国展開する、あさくまが6月27日にジャスダックに新規上場します。あさくまは、ステーキ店を67店舗、食べ放題レストランを5店舗、インドネシア専門料理店3店舗などを運営しており、直近の売上高は94億4000万円。経常利益は8億7400万円です。

株主優待がつく小型案件なので、個人投資家からの人気は集めそう。しかし、ステーキの市況は悪化しています。ライバル「いきなりステーキ」は、4月の既存店客数が昨対比で23%減少しました。

市場を騒がせていたステーキ人気が、落ちてきた中での上場です。

ステーキのあさくま
ロードサイド型店舗で家族連れを主なターゲットに

市場から吸収した1億円はテンポスの支配者・森下篤史氏の手に

1948年創業のあさくまは、2006年に中古厨房機器販売のテンポスバスターズ<2751>と資本提携しました。テンポスが56%超の株式を保有しています。今回は親子上場案件です。ただし、ソフトバンクと同じく、親会社が子会社から資金を吸い上げるためのものかというと、そうでもありません。

あさくまのIPOは、新規の株式発行が50万株。既存株主からの売出は9万2100株です。売出主はテンポスではなく、有限会社あさしお。この会社は、テンポスの創業者・森下篤史氏の、資産管理会社と考えられます。

すなわち、今回の上場はあさくまと既存株主である森下氏が、資金を調達する案件なのです。

では、市場から吸い上げる金額がどれくらいか、試算してみましょう。

あさくまの1株利益はおよそ105円(有価証券報告書より)。あさくまが分類される業種は「小売業」です。小売業の平均PERは22.5倍(業種別PER)。あさくまのライバルであるペッパーフードサービス<3053>PERが11.6倍です。ここでは、中間あたりに位置する15倍を、あさくまのPERと仮定します。

あさくまの想定株価=1株利益105円×PER15倍=1575円

吸収金額はどれくらいになるでしょうか。

・あさくまの吸収金額 =1575円 ×50万株 =7億8700万円
・あさしおの吸収金額 =1575円 ×9万2100株 =1億4500万円

有価証券報告書をもとに、筆者が想定した金額です

今回の上場により、あさくまは7~8億円を吸収し、森下氏は1億円前後を手にすることとなります。

テンポスは子会社のあさくま上場のニュースにより、2000円前後だった株価は5月27日に2326円まで上昇しました。しかし、今回の上場でテンポスの資金的なメリットはありません。