再上場がM&A時代の到来を告げる

ソラストは東証2部上場の旧日本医療事務センター時代の2012年2月、米投資ファンドのカーライル・グループと組んでMBO(経営陣による買収)を実行し、株式を非公開化した。同年10月に現在のソラストに社名を変更。さらに2016年6月に今度は東証1部に再上場を果たした。こうした経営体制の変化が本格的なM&A時代の到来を告げることになった。

2014年、首都圏を中心に介護施設など43カ所を運営するココチケア(東京都千代田区)を子会社化した(16年に吸収合併)。同社は都市型軽費老人ホーム(ケアハウス)、医療機関との連携による訪問看護に強みを持ち、ソラストと事業と重複しないことが決め手となった。当時の売上規模は20億円強。同社のグループ入りによって、ソラストが1999年に介護事業に進出後、事業所数は初めて200カ所を突破した。

再上場した2016年度(17年3月期)には年間11件のM&Aを集中。いずれも小粒の案件だが、事業所は41カ所増やした。このうち、神奈川県を地盤にデイサービス事業所を運営する住センター、グループホームを主力とするティー・エム・メディカルサービス(京都府向日市)の両社は子会社としてグループの一角を担う。

ベストケア、日本ケアリンクの2社を53億円で買収

最大のハイライトが訪れたのはちょうど1年前のこと。2017年10月にベストケア(松山市)、翌11月に日本ケアリンク(東京都千代田区)の有力2社を相次いで傘下に収めた。買収金額は両社合わせて53億円に上り、ソラストの介護事業の年間売上の3分の1を優に上回るスケールだったからだ。

子会社化したベストケアのデイサービス(東京・三鷹)

1999年設立のベストケアは愛媛県のほか、関東と関西でデイサービスを中心に35の事業所を運営する。デイサービスでは愛媛県内トップクラスを誇り、売上は約28億円。全株式を約33億円で取得した。一方、日本ケアリンクは2000年に設立。東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県で39事業所を展開し、売上は約42億円。株式の99.8%を約20億円で取得した。

ベストケア、日本ケアリンクに先立ち、2017年度はこのほか、4月にピナクル(大阪市)、8月にケアフェリーチェ(名古屋市)を傘下に置いた。いずれもグループホームとデイサービスを主力とする。

現在、介護事業所数は370カ所を超える。2014年のココチケア買収前の172カ所から、この4年間で倍増はおろか、一気に200カ所増やした。まさに怒涛のM&Aの結果といえるが、肝心の業績はどうなのか。

沿革と主なM&A
1965 医療事務通信教育を目的に日本医療経営経協会(個人経営)を創業
1968 株式会社組織の日本医療経営新社に改組
1979 医療業務全面受託を開始
1980 日本医療事務センターに社名変更
1993 調剤薬局事業を開始
1999 介護事業を開始
2002 保育事業を開始
2004 医療関連受託事業のアイ・エム・ビイ・センターを子会社化(12年に合併
2009 調剤薬局事業から撤退
2012 MBOにより東証2部上場廃止
親会社のエヌ・シー・ホールディングスを吸収合併
ソラストに社名変更
2014 介護事業のココチケア(東京都千代田区)を子会社化(2016年に吸収合併
2015 大東建託、インフォコムと業務提携
2016 再上場(東証1部に)
介護事業の住センター(横浜市、現東京都品川区)を子会社化
2017 介護事業のティ・エム・メディカルサービス(京都府向日市)を子会社化
介護事業のケアフェリーチェ(名古屋市)を子会社化
東邦ホールディングスと業務提携
介護事業のピナクル(大阪市)を子会社化
介護事業のベストケア(松山市)を子会社化
介護事業の日本ケアリンク(東京都千代田区)を子会社化
2018 10月、介護事業のJAWA(東京都港区)を子会社化
10月、チャーム・ケア・コーポレーション(大阪市)から有料老人ホーム2施設を取得