介護中心の会社へ  

「医療事務から介護中心の会社になる」。VISION2030の針路はこのひと言に集約される。

ソラスト本社が入るビル(東京・品川)

高齢社会の到来や介護サービスの社会的重要性の高まりにより、介護事業の成長性に疑問の余地がないとの判断が背景にある。こうした成長機会を最大限に活用し、経営の軸足を介護に移していくのが基本スタンスだ。

売上目標3000億円の中身はというと、医療関連受託1000億円、介護1500億円、新規500億円。医療関連受託(今期予想556億円)は2倍近くに、介護(同257億円)は6倍にあたり、ハードルは相当高いと言わざるを得ない。

同社の試算によると、主力とする医療事務の市場規模は既存の2000億円に対し、5800億円の潜在市場があるとしており、開拓余地はなお大きい。介護の成長を稼ぎ頭の医療関連が支える展開が当分の間、続くことになりそうだ。

一方、新規事業は保育を含めたとしてもほとんどゼロからのスタートに等しい。具体的な内容については白紙としながらも、すべて自前で立ち上げることへのこだわりはないとしている。M&Aが有力な選択肢となるのは間違いない。

克服すべき課題も少なくない。医療関連受託、介護、保育に共通する悩みの種が人材確保。このため、採用・教育や離職率低減に向けた処遇改善など人材投資がカギを握る。また、現場では業務フロー改善や生産性向上を後押するためICT(情報通信技術)活用を推進中だ。VISION2030では「生産性2倍、処遇2倍を実現し、人材力を倍増する」とうたう。

主役交代は2020年代半ばか?

シナリオ通りに進めば、2020年代の半ばあたりに、介護が最大事業に成長し、名実とも“エース”の座に就くことになる。現在、介護事業を展開するのは東名阪を中心に15都道府県ほど。全国にネットワークを張り巡らせ、ソラスト版「地域トータルケア」を実現するうえでは今後、主要地方都市でのM&Aの取り組みが活発化しそうだ。

文:M&A Online編集部