【ナガセ】学習塾大手が8年ぶりにM&A、ターゲットは「スイミングスクール」!

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ナガセの本社(東京都武蔵野市)

2006年に中学受験の「四谷大塚」を子会社化

ナガセの代名詞は「東進ハイスクール」。首都圏を中心に現在96校を数え、東京大学をはじめ、旧7帝大、国公立医学部、早稲田、慶応など難関大学に多数の現役合格者を送り出すことで知られる。

東進ハイスクールを軸とする高校生部門ではほかに早稲田塾が12校、東進衛星予備校のフランチャイズを構成する加盟校が1000校を超える。高校生部門は全売上高の6割以上を占める。

小・中学生部門は四谷大塚、東進四国、東進育英舎などで構成する。なかでも中学受験のパイオニアとして知られるのが四谷大塚。首都圏に約30校を展開し、全国最大の中学受験模試「合不合判定テスト」を主催する。ナガセは2006年に四谷大塚と関連会社を子会社化したが、そのブランド名は変えずに維持した。

小・中学生部門の売上高構成は2割強。四谷大塚に先立ち、東進四国(松山市、15校)は1992年、東進育英舎(水戸市、3校)は2005年にナガセの傘下に入った。

これらの学習塾部門に続くがスイミングスクール部門であり、ビジネススクール部門だ。小学生から社会人にいたる幅広い年代層を対象に教育事業を展開している。

スイミングスクール、売上高100億円が視野に

足元の業績はどうか。2022年3月期予想は売上高10.7%増の507億8000万円、営業利益38.5%増の63億6200万円、最終利益53.6%増の37億2900万円。高校生部門を中心に夏期から冬期にかけての生徒募集が順調に推移したことなどから、1月末に業績予想を上方修正した。

このうち、スイミングスクール部門の売上高はコロナ禍に伴う休校措置などの影響で前期(2021年3月期)に2割減の56億4800万円となったが、今期はコロナ前の水準近くに回復する勢いを見せている。

ここに来期はブリヂストンスイミングスクールが加わり、部門売上高100億円の大台をいよいよ視野にとらえることになる。

教育業界では、大学入学共通テスト(2022年度)、小学生5・6年生の英語必修化(2020年度)が相次いでスタート。コロナ禍を契機に児童・生徒1人にパソコン1台を整備するGIGAスクール構想(文部科学省)が進められるなど、オンライン型教育の需要も急速に高まっている。さらに、少子化による市場縮小や異業種からの参入、生徒・保護者の厳しい選別も加わり、企業間競争が激しさを増している。

こうした中、持続的な成長への次の一手をどう打つのか。本業の深耕、新領域への進出、海外展開など、いずれにおいてもM&Aが重要な選択肢となりそうだ。

◎ナガセ:業績の推移(単位は億円)

19/3期 20/3期 21/3期 22/3期予想
売上高 456 451 458 507
営業利益 26 45 45 63
最終利益 10 29 24 37

文:M&A Online編集部

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