ソニーや松下の超大型買収も仲介

CAAの業務は単なる芸能事務所に留まらない。1989年にソニー<6758>が48億ドル(当時のレートで6700億円)を投じた米コロンビア映画の買収を、1991年には松下電器産業(現・パナソニック)<6752>が61億ドル(同7800億円)を投じた米MCA(現・ユニバーサル映画)の買収を、それぞれ仲介した。日本企業が買い手となった、超大型M&Aの「仕掛け人」でもある。

オービッツ氏は1995年にCAAを去り、米ウォルト・ディズニーの社長に転じた。ところが、在任期間1年1カ月で退任。この時に3800万ドル(約32億円)の現金と推定1億ドル(約85億円)の役員退職慰労金を受け取り、これを「高額すぎる」とする株主がディズニー社との訴訟に踏み切っている。裁判は2005年まで続き、最終的に株主の訴えは退けられた。

1999年にオービッツ氏はタレントエージェンシーの米AMG社(Artist Management Group)を設立するが、2002年に売却。その直後の「ハリウッドはゲイマフィアの巣窟」発言が大問題となり、ハリウッドから事実上、追放された。ゴーン元会長ほどではないにせよ、「お騒がせ」な人物ではある。

現在、オービッツ氏は個人投資家として活動しているが、ゴーン元会長との交渉が成功すれば久々にハリウッドで表舞台に立つことになる。かつての「豪腕」が復活して、大作を手がけることができるだろうか。

文:M&A Online編集部