サッカー界のスタープレーヤー・ロナウド選手をプロモーションに起用したトレーニングマシン「シックスパッド」を販売するMTG<7806>が、第三者委員会の指摘により2018年9月期の売上高を21億円減の583億円(訂正前:604億円)に、営業利益を19億6000万円減の69億2000万円(訂正前:88億8000万円)に訂正しました。

そして、2019年9月期通期の売上予想510億円を395億円に修正。営業利益10億円は、一転して75億円の赤字へと転落する見込みとなったのです。

2018年7月に上場したばかりのMTGに一体何があったのでしょうか?

美容ローラー「ReFa」
美容ローラー「ReFa」(画像はプレスリリース)

1000万本以上を出荷した「ReFa」が元凶に

MTGは、急成長した会社として有名です。2016年9月期の売上高は294億円、翌年が453億円、そして604億円へと拡大しました。利益も34.9億円、61.2億円、88.8億円へと急激に伸びたのです。

その成長を支えたのが、美容ローラー「ReFa」です。複数のローラーを転がして、引き締まった肌にするというもの。手軽に美容効果が得られる商品として、小顔効果に期待した女性にスマッシュヒット。2018年7月末の時点で、累計出荷本数は1000万本超えました。

ReFa単体の売上高は、121億円、245億円、295億円と拡大していきます。特に海外事業は好調で、売上高は2017年9月期の116億円から2018年9月期に219億円と88%も増加したのです。

MTGの成長を支えていたReFaは、海外事業が牽引していたことがわかります。

国別にみてみましょう。2017年9月期は韓国向けが57億円、中国向けが34億円、香港向けが5億円、その他のエリアが7億円でした。それが2018年9月期には韓国向け97億円(71%増)、中国向け63億円(82%増)、香港向け8億円(57%増)、その他のエリアが11億円(48%増)と拡大しています。

日本と韓国、中国がReFaの市場の中心になっているように見えます。しかし、実態は中国の一極集中型になっていました。日本と韓国のReFaの売上は、中国からの訪問客が代理購入者として転売目的で買い占めていたのです。

市場が中国に偏っていたことが、今回の不正へと繋がっていきます。

中国人の代理購入規制強化が痛手

Refaはの売れ行きは、2018年10月から急ブレーキがかかっていました。理由は2つあります。

  • 1.中国が2018年9月末に転売目的の大量購入者に対する税関検査を強化したこと
  • 2.2019年1月に中国が新EC法を施行し、越境ECサイトの経営者や個人の代理店購入者に対して、営業許可証と納税が義務付けられたこと

                                     

これにより、2018年9月期の終盤には、インバウンド市場が失速します。ReFaは2017年12月ごろすでにその影響を受けており、一部のシリーズについて生産停止の措置を講じました。

そんな中、2018年7月にMTGは上場するのです。タイミングとしては最悪でした。しかし、巧みなマーケティングで知名度を獲得していたためか、株価は公募価格5800円を22%上回る7050円の初値をつけました。時価総額は一時2900億円を突破してミクシィの2200億円を上回り、マザーズ市場ではメルカリに次ぐ2位となったのです。

同社が2018年5月に発表した2018年9月期の業績予想は、売上高600億円、営業利益75億4000万円、純利益55億円でした。

表面的には好調の滑り出しをみせているように見えましたが、2018年9月の時点で利益は9億円不足していたのです。