2019年7月25日、すてきナイスグループ<8089>の元代表取締役会長(兼最高経営責任者)の平田恒一郎氏、元代表取締役副会長の日暮清氏、元取締役の大野弘氏の3名が金融商品取引法違反により横浜地検に逮捕されました。具体的な嫌疑は2015年3月期の有価証券報告書における虚偽記載ということです。

逮捕前日にあたる7月24日には第三者委員会の「調査報告書」が提出されたところでした。同社では5月からの捜査開始を受け、すでに2019年3月期の有価証券報告書の提出期限(通常6月末)について延長を公表しています。8月1日提出に向けて作業を進めている模様ですが、今後は調査結果にもとづき、過年度の有価証券報告書についても訂正報告がなされることが想定されます。

逮捕前日に公表された第三者委員会調査報告書

第三者委員会による調査は、いわゆる「粉飾決算」についての事実関係の検証や再発防止に関する提言を行うものです。調査にあたっては「企業等不祥事における第三者委員会ガイドライン」(日本弁護士連合会)に沿って弁護士および公認会計士の委員が選任されました。

調査対象期間は2015年3月期から2019年3月期第3四半期までとなっています。なお、有価証券報告書や四半期報告書には「比較情報」として前年の数値が対比して掲載されます。そのため、調査対象には2015年3月期の比較情報としての2014年3月期数値も含まれているそうです。

木材製品の取扱から企業規模を拡大してきたグループ

すてきナイスグループは建設資材や不動産販売など住宅関連事業を営む東証一部上場の持株会社です。連結対象外となっている会社も含め、子会社や関連会社の数は90以上になります。

調査の結果、多くの子会社やグループ外の支配会社を利用して不適切な会計処理を行ったことが判明しました。2015年3月期においては多数の不動産物件を子会社に売却するなどして、30億円もの架空売上を計上し、利益を水増ししたことが分かっています。報道でも、2015年3月期の第3四半期(4月から12月まで)は経常損失であったにもかかわらず、最終の3月期末において黒字転換していることが指摘されています。

なお、2015年3月期の連結売上高は2357億円でした。2019年3月期における連結売上高は決算短信の数値によると2429億円となっています。子会社などを利用した架空売上計上の原資としてグループ内で売買資金を融通するなど大掛かりなスキームとなっています。