保釈中にレバノンへ逃亡したカルロス・ゴーン日産自動車<7201>元会長が、米ハリウッドの大物代理人とされるマイケル・オービッツ氏と自らの半生を映画化する契約を結んだことが、2020年2月12日に明らかになった。

ハリウッド向きのゴーン元会長の「逃走劇」

目玉となるゴーン氏の「逃走劇」はハリウッド映画向きの題材とされ、以前から映画化するのではないかと取り沙汰されている。今回の契約締結で、ゴーン元会長の自伝映画が制作へ向けて一歩踏み出すことになる。

ハリウッドでは米投資家アイヴァン・ボウスキー氏をモデルにした「ウォール街」(1987年)や、「エンロン事件」を扱ったドキュメンタリー映画「エンロン 巨大企業はいかにして崩壊したのか」(2006年)など、経済事件を扱ったヒット作も多い。

仏ルノー・日産連合を世界第2位の自動車メーカーを育て上げながら、異国の日本で逮捕、起訴され、刑事被告人となったゴーン元会長。一貫して無罪を主張するも欧米人には不可解な「人質司法」による長期間の身柄拘束を受け、元特殊部隊兵士を含めた救援チームを雇って日本から脱出…まさにハリウッドの映画会社が飛びつく波乱万丈のストーリーだ。

ゴーン元会長を射止めたオービッツ氏は、1946年12月生まれの73歳。大手タレントエージェンシー(芸能事務所)の米ウィリアム・モリス・エンデヴァー社に郵便仕分係として採用されたが、ほどなくエージェントとして頭角を現す。オービッツ氏は1975年に同僚4人を引き抜き、米クリエイティブ・アーティスツ・エージェンシー社(CAA)を創業した。

CAAは自社が抱える脚本家の作品に監督や俳優も抱き合わせて売り込む「パッケージング」をハリウッドに本格導入する。これにより多額の手数料を得た同社は、約2000人の監督やプロデューサー、脚本家、俳優・女優、歌手を抱える世界最大のタレントエージェンシーに成長した。