◆注目のTOB案件(買収プレミアムは3カ月平均株価で算出)
第2四半期で最も金額が高かったのは、近鉄グループホールディングス(HD)<9041>が5月16日に開始した近鉄エクスプレス<9375>を完全子会社化するためのTOBで、買付代金は1443億1000万円。近鉄グループHDは現在、間接保有を含めて近鉄エクスプレスの株式47%余りを保有し、持ち分法適用関連会社としていた。TOB成立を受けて、近鉄エクスプレスの東証プライム上場は廃止される...
TOB(株式公開買い付け)件数は第1四半期としては2年ぶりの減少、金額も減少が続いている。業種に偏りは見られなかった。第2四半期に入っても4月が3件、5月が5件と前年同月実績を下回っており、前年に比べて低調のまま1年の折返しを迎えそうだ。
2019年通年(1-12月)の累計件数は完了ベースで41件(同4.6%減)と前年を2件下回った。届出ベースでは46件(同9.5%増)と前年を4件上回っている。買付総額は3年連続で増え、1兆円を超える水準で推移している。1000億円超は4件。
2018年第1四半期のTOB件数(累計)は、公表ベースで8件と前年 (16件)より減少。主なTOB案件は、大和リースによるテクニカル電子のTOB(プレミアム42.73%)、RIZAPグループによるワンダーコーポレーションのTOB(プレミアム5.83%)だった。