2022年上期、最も多くのM&Aに取り組んだ上場企業はどこ?

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写真はイメージです(東京・大手町)

全国で3800社を超える上場企業のうち、2022年上期(1~6月)に最も多くのM&Aに取り組んだのはどこか? M&A Online編集部が適時開示情報をもとに調べたところ、エルテスとピアズが5件でトップに並んだ。

東証Gのエルテス、ピアズが各5件

エルテスはネット上での炎上対策などデジタルリスク管理支援を展開する。一方、ピアズはセルフオーダー、キャッシュレスなどの店舗DX(デジタルトランスフォーメーション)事業を主力とする。両社は東証グロースに上場している。

2022年上期のM&A件数は458件(親子間や子会社間のグループ内再編は除く)。M&Aを開示した企業数は397社で、このうち1社で複数の案件を手がけた企業は46社(107件)だった。

5件でトップに立ったエルテス、ピアズだが、両社とも2020年は1件、2021年は年間を通じてゼロで、2022年に入って一気に件数を積み上げた形だ。

エルテスは警備業、Web広告関連、システム開発支援、不動産賃料保証、バイオマス発電の5つの分野でそれぞれ買収を実行。ピアズは人材派遣、グラフィックス用ソフトウエア開発などで4件の買収を手がけたほか、子会社売却が1件あった。

2位は3件で、その顔ぶれは国際紙パルプ商事、Jトラスト、AB&Companyなど9社。国際紙パルプ商事は3件中2件が海外案件で、ドイツ、スペインでパッケージ製造会社を傘下に収めた。

2件だと、SBIホールディングス、サントリー食品インターナショナル、ディー・エヌ・エー(DeNA)、電通グループ、小僧寿しなど35社に上った。このうち、サントリー食品はナイジェリアの清涼飲料事業、オーストラリアのコーヒー事業をそれぞれ売却した。

◎2022年上期:M&A件数の企業別ランキング(適時開示ベース)

件数 企業の顔ぶれ
5件 エルテス、ピアズ
3件 AB&Company、Jトラスト、ケア21、国際紙パルプ商事、ジャパンエレベーターサービスホールディングス、スカラ、ソラスト、デジタルハーツホールディングス、日本創発グループ
2件 SBIホールディングス、サントリー食品インターナショナル、丸和運輸機関、小僧寿しなど35社

文:M&A Online編集部

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2022年上期(1~6月)のM&A件数(適時開示ベース)は前年同期比12件増の458件で、リーマンショック(2008年)後の年間最多を記録した前年を上回るペースを示した。ただ、ウクライナ危機、急激な円安が続く中、国境をまたぐ海外M&Aが落ち込み、国内M&A主導の展開が鮮明になっている。

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