毎月気になる企業をピックアップし、その企業の占星術的な視点からポイントをお伝えしています。今回は資生堂をピックアップ企業として選びました。
言うまでもなく、資生堂は日本を代表する化粧品のトップメーカー。売上高は1兆1000億円(2019年12月期実績見込み)を超えます。創業は1872(明治5)年とかなり古く、日本が世界に誇る「100年企業」のひとつです。
2019年10月には米国の新興化粧品メーカー、ドランクエレファント社を910億円で買収することを発表しました。この大型買収が資生堂にとってポジティブに働くのかを予測する際、引き合いに出されるのが2010年に傘下に収めた米ベアエッセンシャル社の一件です。
ベアエッセンシャルはテレビショッピングを主体とする自然派化粧品メーカー。資生堂は約1800億円の巨費を投じて買収しましたが、苦杯をなめたのです。のれんの減損損失は655億円(17年12月期)にのぼりました。
また女性の働き方問題においても、“資生堂ショック”といわれ、SNSなどで炎上する問題も出ています。
老舗企業とは言え、これまでの時代に合わせた柔軟な変化で対応してきた同社も、人口減少に伴い国内市場が縮小に向かう中、今また大きな舵取りを迫られており、今後の動向がとてもきになる企業のひとつです。
そんな資生堂の今後はどのような展開になっていくのかを西洋占星術の視点からチェックすることで、通常では見ることができない発見や気づきをみていきたいと思います。
まずは資生堂という会社の傾向を占星術でみてみましょう。
創業は1872年ですが、法人格として株式登記したのが1927年で、現在の資生堂に影響を強く持っていますので、こちらのホロスコープをメインにみていきます。
特徴的なポイントのひとつ目は、先進的なことを追い求めたいという強い欲求をみてとれる企業であるということです。
他に先駆けて日本で初めて洋風調剤薬局として創業した先見性の高さを受け継いだり、他の大企業よりもいち早く女性が働きやすい企業として、就職人気企業ランキングで常に上位にありつづけた企業ならではのホロスコープである事が分かります。
加えて、かなり戦略的にシミュレーションをすることに長けており、その先見性とシミュレーションがクールになりすぎないように、しっかりと社員や顧客の声を取り入れる柔軟さと懐の深さを持っている企業であるとホロスコープから知ることができます。
この絶妙なバランスの良さが、150年近くも企業として存続できた要因であると言えるでしょう。
ただ、時に資生堂がそのバランスを崩すときがあるとしたら、「強すぎる野心」もしくは「性急すぎる行動」に出たときに本来の力が発揮できない傾向があるとホロスコープからは読み取れるのです。
そしてこの両方の懸念点が同時に発動されてしまうと、その問題はかなり大きな事態へと進展してしまいます。
大きな展望や素早い行動は頼もしく感じやすい要素ですが、資生堂にとってはその2つが命取りになりかねないポイントであると言えます。
この要素が2010年の買収の失敗に少なからず関わっているでしょうし、“資生堂ショック”のような短絡的な判断が結果的に炎上する原因へと発展してしまうのです。
資生堂は先見性と入念なシミュレーション、そして周囲の声がしっかりと認識できている状態でこそ、本来の力が発揮できます。
この3つのいずれかが欠けている状態での企業戦略は上手くいかない傾向が強くなるはずです。
そのような視点からも、今後の資生堂の施策をチェックしてみるのも面白いのではないでしょうか?
では次に、資生堂の今後の流れを見てみようと思います。