一方、ユニゾホールディングス(HD)については、旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS)<9603>がユニゾ株の45%保有を目的に実施したTOB(株式公開買い付け)が不成立に終わった8月から動きが活発化した。
HISのあと、米投資ファンドのフォートレス・インベストメント・グループが新たなTOBによる買い付けを10月1日まで行う中、エリオット・インターナショナル・エルピー、いちごアセットマネジメント・インタ-ナショナル・ピ-ティ-イ-・リミテッド、野村證券の3社が新規に株式を保有。その後エリオットは4度買い増し、翌月の9月にも3度買い増した。
その後は大きな動きは見られないものの、ユニゾHDを巡ってはフォートレスがTOB期間を9度延長し、2020年1月8日まで買い付けを行っているほか、10月に米投資ファンドのブラックストーンがユニゾHDとの合意を条件にTOBを提案し、現在もTOBの実施について検討を行なっている。
ユニゾHDが11月24日に公表した資料によると、ユニゾHDはフォートレス、ブラックストーンのほか国内外のファンド5社、国内事業会社1社の合計6社とTOBに向けた協議を行っていた。
そのユニゾHDは12月22日に、従業員による買収(EBO=エンプロイー・バイアウト)を実施して非公開化すると発表した。従業員と米投資ファンドのローン・スターが出資する新会社がユニゾに対してTOBを行い、全株式の取得を目指すことになった。
このほかにも7月に、米の卸しを手がける神明ホールディングスが33%ほどを保有していた回転寿司チェーンのスシローグローバルホールディングス<3563>株を2度売却し、保有割合を6.56%に引き下げた。神明ホールディングスは傘下の元気寿司とスシローとの経営統合を計画していたが、統合効果が期待できないことから資本業務提携を解消した。
また、Zホールディングス<4689>によるZOZOの子会社化に伴って、ZOZO創業者の前澤友作氏がZOZO株の保有割合を11月20日に41.16%から17.51%に引き下げた。前澤氏は2019年に10回を超える大量保有報告書を提出したが、多くは保有するZOZO株を証券会社などに担保に差し出す案件だった。
2019年(1月1日-12月24日)の大量保有報告書の提出件数は1万1205件で、このうち株式の保有割合を増やしたのが3103件、新規保有が2029件、保有割合を減らしたのが5242件、契約の変更などが831件だった。
文:M&A Online編集部
2019年5月の大量保有報告書の提出件数は840件で、前月に続きは保有割合の減らした件数が増加と新規の合計を13件上回わり、2カ月連続で売りが買いを上回った。
2019年1月に提出された大量保有報告書(移転などの変更を除く)の件数は782件で、前年同月を86件上回り、前年同月の売り姿勢から、買い姿勢に転じたことが分かった。