【大量保有】高まる投資意欲 2019年3月
3月の大量保有報告書の提出件数は1076件で、このうち株式の保有割合を増やしたのが328件、新規保有が217件、減少が464件となり、増加と新規の合計が、減少を81件上回った。
ライブ・エンターテインメント施設の運営、テレビ番組の制作、アイドルグループSKE48の運営・管理などを手がけるKeyHolder<4712>が、資本業務提携先であるケイブ<3760>の株式の売却を続けている。2018年12月27日にケイブ株式の24.43%を取得し筆頭株主になったものの、その後2019年3月20日から4月18日までに8度大量保有報告書を提出しており、4月18日の大量保有報告書では保有割合は4.34%にまで低下した。
両社は2018年12月11日に資本業務提携し、KeyHolder がケイブの筆頭株主になるとともに、ネットクレーンゲーム事業の新規展開の運営サポートやスマートホンゲームの開発、eスポーツ展開の運営サポートなどの協力体制を目指した。
その一方でケイブは2019年3月14日にアイドルグループの運営を手がけているAKSの吉成夏子代表取締役とゲーム制作会社オカキチの代表取締役でゲームクリエーターの岡本吉起氏を割当先とする増資を行うことを発表。払込期日である2019年4月26日に吉成夏子氏が筆頭株主になり、KeyHolderは第2位の株主になるとしていた。
その後3月20日からKeyHolderによるケイブ株式の売却が始まり、ケイブの業務支援体制がKeyHolderから吉成夏子氏に移ることになった。3月14日の発表時点では岡本吉起氏は3位の株主となる見込みだったが、KeyHolderの保有割合の低下に伴い、2位の株主に浮上する見込みで、吉成、岡本両氏による支援体制が鮮明になった。
ケイブは1994年にゲームソフトの受託開発を手がける企業として設立。1999年にNTTドコモにコンテンツを配信して以来、さまざまなゲームを提供してきた。2015年に発売したシューティングゲーム「ゴシックは魔法乙女」が売上高の70%を占めており、他のゲームや新サービスの投入が急務となっている。
KeyHolderと業務協力する予定だったネットクレーンゲーム事業やスマートホンゲーム開発、eスポーツ事業についても、4月11日に発表した2019年5月期第3四半期決算ではサービス開始時期は未定としていた。
大量保有報告書の提出日、保有割合など
報告義務発生日 | 提出日 | 保有割合 | 増減 |
---|---|---|---|
12月27日 | 12月28日 | 24.43 | 0 |
3月20日 | 3月28日 | 17.57 | -6.86 |
3月22日 | 3月28日 | 16.15 | -1.42 |
4月5日 | 4月12日 | 14.7 | -1.45 |
4月11日 | 4月18日 | 13.4 | -1.3 |
4月12日 | 4月18日 | 9.49 | -3.91 |
4月15日 | 4月18日 | 8.16 | -1.33 |
4月16日 | 4月18日 | 5.35 | -2.81 |
4月18日 | 4月18日 | 4.34 | -1.01 |
※報告義務発生日の12月27日と提出日の12月28日は2018年。他は2019年。
年 | ケイブの沿革 |
---|---|
1994 | ゲームソフトの受託開発を手がける企業として設立 |
1999 | NTTドコモにコンテンツを配信 |
2001 | KDDIにコンテンツを配信 |
2002 | 業務用シューティングゲームを配信 |
2004 | 携帯電話向けゲームを配信 |
2005 | クレイズカンパニー(現ビーズマニア)の子会社に |
2008 | ビーズマニアと事業統合 |
2011 | グリーと資本業務提携 |
2015 | ゴシックは魔法乙女を発売 |
3月の大量保有報告書の提出件数は1076件で、このうち株式の保有割合を増やしたのが328件、新規保有が217件、減少が464件となり、増加と新規の合計が、減少を81件上回った。
JPモルガン・アセット・マネジメントが2018年1月1日から2018年11月7日までに提出した大量保有報告書の件数が、2017年(1月1日―12月31日)の2.2倍に達していることが分かった。